健康素材の研究、蚕の研究や糖尿病に関する情報発信を行っています

健康NEWS

幼虫から蛾まで…蚕の一生をチョコに 印象抜群で人気

朝日新聞 2015/8/1  葉にのる白い幼虫に、羽の生えた成虫(蛾〈が〉)。 藤岡市の食品メーカーが作った蚕のチョコレートがみやげ店で人気だ。本物に近い見た目に、一瞬たじろぐ観光客もいるといい、印象は抜群だ。物珍しさに多くの客が手を伸ばすという。 以前、幼虫だけのチョコを販売したところ大当たりした。第2弾は、二匹目のどじょうとなるか――。 丸エイ食品が作った。本業では団子などの和菓子を製造してきたが、2012年、当時、世界遺産への登録を目指していた富岡製糸場を後押しするため、何か一役買おうと考えた。 「目立つおみやげがない」と感じた社長が、蚕をホワイトチョコにしてみては、と思いつきで提案した。 桑の葉にのった蚕の幼虫をイメージしたチョコを販売したところ予想以上の売れ行きに。昨年、「富岡製糸場と絹産業遺産群」が世界遺産に登録され、観光客 も増え、爆発的に売れ出した。生産が追いつかなくなり、納品まで2カ月かかるほどに。昨年12月には製造ラインを新設し、生産数は月2万個から4万個に、 従業員も8人から約20人に増やした。 安定して供給できるようになったことから、新商品の開発に踏み切った。今回は「かいこの一 生」。実際の蚕は、糸の増産のために品種改良されており、繭になった時点で乾燥され、一生を終える。しかし、商品はあえて成虫の蛾になるところまで表現し た。企画開発部の向井優介課長(36)は「本当は広い空を自由に飛びたかったのではないか」と思いをはせる。 成虫のチョコは、標本を見ながら細長い触角や羽の模様を再現した。品種改良で、羽は通常の蛾やチョウと比べると小さい。向井課長は「お菓子で本来の姿を見てもらいたい」。 3個入りで980円(税込み)。問い合わせは(0274・23・0558)へ。今月からインターネット販売も受け付けている。

認知症へ新たな挑戦”カイコ冬虫夏草”

認知症へ新たな挑戦”カイコ冬虫夏草” “認知症を治したい!”~脳機能改善への新アプローチ カギを握るのは、カイコに寄生するキノコのパワー!? 岩手大学 特任教授/農学博士/鈴木幸一さん 10年後、65歳以上の5人に1人が患うとされる「認知症」―。 根本的な治療法がないこの病に、独自のアプローチで挑むのが 岩手大学の鈴木幸一特任教授。 農学博士の鈴木の専門は、『応用昆虫学』。 昆虫の「カイコ」に、脳の機能改善につながるカギがあるというのだが・・。 鈴木は、カイコ研究一筋46年!昆虫が持つ“人の健康に役立つ物質”を追求し続け、 これまでに、野生のカイコから細胞を眠らせる「休眠物質」を発見。これを応用し て、 がん細胞を「眠らせる」ことで、進行を抑えるという研究が進められている。 さらに、カイコのサナギに寄生するキノコ「カイコ冬虫夏草」に、 “記憶力を回復させる効果”があることをマウスで突き止めた! 番組は、認知症患者に実施された臨床試験に、8ヶ月密着。

(経済気象台)絶滅寸前の養蚕業

群馬県の富岡製糸場など四つの養蚕・製糸関連文化財が昨年6月、日本で14番目の世界文化遺産に登録された。明治の初め、養蚕・製糸に関する先進的 な技術、工業化が日本の近代化に大きく貢献したことが評価されたのである。当時、製糸業は日本の輸出産業の花形だった。明治の「富国強兵策」は、生糸の海 外輸出によってなされたといっても過言ではないだろう。 その後も日本の養蚕業は成長を続け、昭和初期に最盛期を迎えた。農林水産省の資料によると、いまから85年前の昭和5(1930)年に桑園の面積は70万ヘクタール、収繭量(しゅうけんりょう)は40万トン近くになった。養蚕農家数も、220万戸に達したという。 かつて養蚕は、「炭焼き」とともに農家の貴重な現金収入源だった。私の母の実家は養蚕も営んでいたが、蚕を「おかいこ様」と呼んで大切に扱ってい た。稲作に向かない中山間地が多い北関東や甲信、それに東北地方では特にその比重が高かったようだ。こうした地域では県庁に「蚕糸課」があり、繭の品質検 査を行う「繭検定所」が置かれていた。 敗戦によって大打撃を受けた養蚕業は、50〜60年代に戦後のピークを迎える。しかし収繭量は 10万〜12万トン程度で、最盛期の3分の1以下 だった。その後は化学繊維の普及や後継者不足で、衰退の一途をたどる。2013年の時点で、養蚕農家は全国で486戸、収繭量はわずか168トンだ。北関 東や甲信地域の中山間地を歩くと、2階建ての古民家が目につく。蚕室として2階部分が必要だったからだ。そこではいまの季節、山の斜面に鮮やかな緑の葉を つけた伸び放題の桑園を見ることがある。日本の養蚕は世界遺産を残したが、絶滅寸前だ。(望)   朝日新聞2015年5月20日

ZOOM UP シルク・カイコ

ZOOM UP シルク・カイコ (健康産業新聞2007年1月17日) シルク・カイコ全体で20億円を堅持 抗 糖尿、降圧、肝機能改善、抗酸化、免疫増強、ダイエット、抗アレルギーなどさまざまな角度から有用性に関する研究が進められている「食べるシルク」。17 年前に食品素材として流通して以来、9年前に登場したカイコ健食を含めた市場規模は20億円前後に上回る。商品アイテムは健康食品をはじめ、製麺、豆腐、 菓子、調味料、清涼飲料水など多岐にわたり、化粧品や整髪料のほか、人工皮膚、人工血管など医療分野での導入も進んでいる。メタボリックシンドローム対策 の有望素材として、認知向上と市場拡大の機会をうかがう「食べるシルク」を検証する。 抗糖尿、美容分野で市場形成進む 「食 べるシルク」は、カイコ繭の絹糸を分解したタンパク質を主に利用する。養蚕の本家・中国では、古来よりカイコの繭を煎じた漢方処方があり、伝承的に糖尿病 への有用性が知られていた。国内では、東京農工大学教授の故・平林潔氏が、1988年に開かれた日本学術会議蚕糸学研究連絡セミナーで、「次のバイオ素材 は絹だ」と題する発表を行い、シルクの栄養学的な価値や医療分野への応用につて言及。製織工程で出る絹くずを副産物として使用するなど循環型資源としての 使用価値に加え、地域の養蚕業の活性化など社会的意義の大きい素材として注目を集めた。 食品用途での事業化に初めて着手したのは、絹織物の産地として知られる京都の加悦町で、90年に第三セクター・加悦総合振興㈱を設立。従来、繊維素材だったシルクの食品化事業が推進された。 1998年以降、「食べるシルク」は、テレビや雑誌などでたびたび取り上げられる素材となり、健康食品の商品開発の活発化。健康食品を中心に乳酸菌飲料、ヨーグルト、麺類、パン、豆腐、アイスクリーム、菓子などの用途拡大が進んだ。 シ ルクはフィブロン(絹繊維)とセリシンという2種類のタンパク質で構成される。「食べるシルク」に使用される原料は、絹糸を微粉砕した粉末や、加水分解も しくは酵素処理で低分子化した粉末があり、原料各社は食品用途に応じて供給している。このほか、ペプチドやアミノ酸、ゲル化物での流通もみられ、特にシル クペプチドは生理活性の高い素材として複数の企業が提案を進めている。 シルクは20種類のアミノ酸のうち、グルミタンとアスパラギン以外の18 種類を含み、必須アミノ酸をすべて含有しているのが特徴。組成別ではグリシン、アラニン、セリン、チロシンの割合が高い。機能面では、シルクパウダーと、 ペプチド・アミノ酸による2方向から研究が進められており、血中コレステロール低下、インスリン作用、アトピー性皮膚炎改善、肝機能改善、血圧低下作用な どが確認されている。また、吸収・保湿効果や肌荒れ改善、紫外線防御、枝毛保護などへの有用性も認められており、化粧品素材として定着している。 シ ルク原料の絹糸を吐き出すカイコは、抗糖尿素材の桑葉を餌にしており、糖の分解酵素の働きを阻害する有用成分としてDNJ(デオキシノジリマイシン)を含 む。国内ではボンビックス薬品㈱が98年、カイコを窒素ガスで酸化防止処理し、凍結乾燥させて粉末化した『ボスリン』を他社に先駆けて市場に投入。昨年は 約6億円を売り上げた。シルクとカイコ健食の市場規模は、原料供給量と各社の聞き取り調査から推計すると、ここ数年は20億円前後と安定している。 メタボ対策の有望素材として再評価も メタボ対策、新たな起爆剤へ シ ルクパウダーの原料サプライヤーは20社に上がり、原料流通量はここ数年、ほぼ横ばいで推移。原料価格は国産セリシンパウダーがキロ3~6万円、輸入物が 7.000~1万5.000円、国産フィブロインパウダーがキロ9.000円~1万1.000円、輸入物が7.000円~8.000円。また、カイコ粉末 はキロ1万2.000~1万5.000円で取引されている。 シルク健食はカプセル、錠剤、顆粒、パウダーなどの形態で流通しており、単味製品が 多い。複合品は桑葉、黒酢、コラーゲン、シジミ、ウコン、亜鉛など抗糖尿、美肌、肝機能強化、ダイエット素材との組み合わせが目立つ。販売ルートの9割は 通販。カイコ健食は粉末とエキスが中心で7割が通販、3割が薬系・食系ルートで流通している。 シルクとカイコは、長い低迷にあえぐ養蚕業の育 成・振興を目的に、農水省、民間企業、大学・研究機関など産官学共同によるプロジェクトが各地で進行している。2001年には絹、蚕、桑の多目的利用に関 する産官学の情報交流を行う第三者機関「絹蚕桑多目的利用協議会(KSS協議会)」が発足。現在28会員で組織され、開発の相互協力や自主規格基準の設定 など積極的な活動を展開している。「食べるシルクが業界や消費者に十分認知されているとはいえない」とする指摘が聞かれる中、シルク・カイコ素材の機能性 や活用の意義などを組織的に情報発信するための拠点として、同協議会の組織力の強化とリーダーシップを望む声は多い。 「シルク・カイコは、長期 的に生活習慣病予防やアンチエイジングに対応した素材として、ビジネスチャンスを広げる材料は揃っている」とする声は複数の原料メーカーから挙がってお り、市場を再活性化させる起爆剤として、メタボリックシンドローム対策に焦点を当てた機能性研究の進展や商品開発に注目が集まっている。 主要企業動向 シルクとカイコの原料サプライヤーは約20社。シルク原料は加水分解や酵素処理で低分子化した粉末タイプが主流で、ペプチドやアミノ酸、ゲル化した原料も 供給されている。カイコ原料は粉末がほとんど。末端製品は約9割が通販ルートで流通され、市場規模はここ数年、横ばいで推移している。シルクは抗糖尿、美 容、ダイエット対応、カイコは抗糖尿、性機能向上対応として提案する企業が多い。 ボンビックス薬品 ボンビックス薬品㈱(大阪市中央区)は、韓国政府が所有するカイコ粉末の特許に基づいて抽出した蚕粉末を使用したタブレットタイプの『ボスリン』を他社に 先駆けて1998年に発売。国内のカイコ健食でシェアトップを維持している。さらに2003年には、カイコ粉末をエキス化し、明日葉、桑葉、霊芝、杜中、 ドクダミ、月見草種子油など10種類の植物エキスを配合したソフトカプセルタイプの『ボスリンゴールド』を発売。両品とも通販と薬系・食系ルートで展開 し、前年比60%増と急伸している。また同社ではカイコ粉末を抗糖尿、ダイエット、性機能向上素材として原料供給する。カイコは天然飼料を用いて飼育し安 心・安全な原料供給に努めている。シルク粉末は韓国向け輸出がほとんどで、前年比10%増で推移している。 ドクターセラム ドクターセラム㈱(東京都渋谷区)は、カイコ由来のシルクを利用したダイエット食品『セラム-シルクフィブロイン』を販売する。東京農業大学助教授の長島 孝行氏と共同開発したもので、セリシンを除いた不純物を含まないシルクフィブロインタンパクのみを原料に使用。吸脂性多孔性(ナノレベル微細構造)を持 ち、体内の余分なコレステロール、脂肪を吸着し排出するのが大きな特徴。乳化した状態で体外排出するので、便秘改善も期待できる。バックデータでは昨年末 に、200人規模によるメタボリックシンドロームに対する臨床試験の結果を発表。中性脂肪値や血糖値、LDL、HDLなど、9項目の数値改善について有意 な結果が得られている。エステルートを中心に展開するほか、OEM供給も対応。形状はゼリータイプで1包み10g。防腐剤を一切使用しないレトルト包装で 顧客ごとに異なるオリジナルな味の提供が可能。「味無臭なので、錠剤から固体、液体、ゲル状など、幅広い形状に対応できる」としている。 一丸ファルコス 一丸ファルコス㈱(岐阜県本巣市)は健食用の粉末シルク原料『エディブルシルク』、化粧品用途の液体原料『シルクゲンGソルブル』など8タイプ以上のシル ク原料を扱う。健食用原料は、特許製法により、シルクプロテインをシルクペプチドにしたもの。活性酸素除去作用、免疫増強作用などを確認している。同社 は、セリシン、フィブロインそれぞれをラインアップし、多様なニーズに対応した原料を供給でき、ヒトでの多様なバックデータを有する点を訴求する。 キッスビー健全食 キッスビー健全食㈱(東京都三鷹市)は、絹エキスを使用した基礎化粧品シリーズ『絹夢物語』を販売する。天然桑で育ったカイコの繭の真綿のみを使用。人工飼料のカイコのものに比べ、セリシンを豊富に含む点が特徴である。 リバソン リ バソン㈱大阪市中央区)は、シルク純度70%規格の京都産のシルクパウダー原料『丹後シルクパウダーV』と純度100%の『丹後シルクパウダー100』の 2種類を供給する。消化・吸収性を高めるために、低分子化されている。グリシンやアラニンといったアミノ酸の比率が高いのが特徴。サプリメント、飲料のほ か、麺類、パン、ケーキなどにも利用されている。 オノジュウ ㈱オノジュウ(東京都大田区)は、カイコ粉末食品『シルクパウダー』を薬局・薬店で展開している。5齢3日のカイコを窒素ガスで酸化防止処理した後、冷凍乾燥し、粉末化したもの。1999年に発売以来、着実に顧客を増やし、リピート率も高いという。 ロード21  ロード21㈱(東京都立川市)は、国産シルクアミノ酸を原料に用いて、健康食品をはじめ一般食品、化粧品、動物用飼料など幅広い用途で展開する。健康食品は、単味成分での商品展開が中心。一般食品では漬物、ヨーグルト、麺類、パン、豆乳などの提案を進めている。 プロザテック (有)プロザテック(千葉県若葉市)は、シルクを酵素分解した『シルクペプチドM-500』と『シルクペプチドM-3000』、3μm以下の超微粉末原料『シルクパウダー(COSI)』を健康食品、ドリンク、化粧品用途などで展開している。 シルクパウダー原料、05年は微増へ (独)農畜産業振興機構によると、シルクパウダーの2004年国内販売量は前年比8.4%減の6万4.348㎏となった。05年計画では同1.3%増の6 万5.154㎏を見込む。タイプ別ではフィブロインパウダーのシェアが95%と他を圧倒しているが、セリシンパウダーも04年が同15.9%、05年計画 が12.6%と着実に増加している。食品用の需要量は、04年は同2.5%減の1万7.133㎏となったが、05年計画は同0.9%増を見込む。経口剤の シェアが高く、全体の約7割を占める。化粧品用は、04年は同16.7%減の2万5.805㎏となったが、05年計画では前年比0.4%増を見込む。ファ ンデーションが7割近くのシェアを占め、パウダー(16.3%)、口紅(5.2%)が続く。用途別では、ファンデーションは横ばいで推移したが、パウダー が同21.5%増と好調だった。 表1 シルクパウダーの国内需給動向(kg) 2004年 2005年  セリシン 2,227 2,507  フィブロイン 61,121 61,647  計 63,348 64,154 表2 フィブロインパウダーの分野・用途別の2005年国内販売状況 食 品 数量(kg) 構成比(%) 化粧品(整髪量含む) 数量(kg) 構成比(%)  経口剤 12,698 73.4 …

シルクとカイコ(蚕)の特集

シルクとカイコの特集 (健康産業新聞・2005年1月19日号から抜粋) 市場規模20億円、用途拡大進む 抗糖尿素材として、産官学共同研究の進展に期待 抗糖尿、肝機能改善、ダイエット、抗アレルギー素材として、さ まざまな角度から機能性研究が進められてきたシルクとカイコ。食べるシルクが食品素材として流通し始めたのは15年前で、7年前に登場したカイコ健食を含 めた市場規模は20億円前後に成長。商品アイテムは健康食品をはじめ、製麺、豆腐、菓子、調味料、ドリンクなどと多様化している。さらに、化粧品や医療分 野への進出も図られており、機能性成分を有効活用した用途拡大が進んでいる。一方、民間企業の調査によると、消費者の「食べるシルク」の認知度は14%に すぎず、主要各社は抗糖尿素材としての認知向上に向けた普及啓発と、消費者や業界関係者への効率的なPRを模索している。「食べるシルクとカイコ」をレ ポートする。 健食と化粧品が市場を牽引 養 蚕の本家・中国では、古来よりカイコの繭を煎じた漢方処方があり、伝承的にシルクが糖尿病に効くことが知られていた。日本ではシルクの食品用途への道を開 いたのは、東京農工大学教授の故・平林潔氏だ。同氏は、昭和63年に開かれた日本学術会議蚕糸学研究連絡セミナーで、「次のバイオ素材は絹だ」と題して発 表。シルクの栄養学的な価値に加え、人工皮膚や人工血管など医療分野への応用についても言及し、注目を集めた。食品用途での事業化に初めて着手したのは、 京都の加悦町で、平成2年に第三セクター・加悦総合振興㈱を設立。シルクパウダーの原料供給を開始した。 シルク原料の絹糸を吐き出すカイコ(幼 虫)は、抗糖尿の代表素材である桑の葉を餌にしており、糖の分解酵素の働きを阻害する有効成分としてDNJ(デオキシノジリマイシン)を含む。ボンビック スや薬品㈱は1998年、カイコを窒素ガスで酸加防止処理し、凍結乾燥させて粉末化した商品を他社に先駆けて発売した。原料となるカイコ粉末は韓国政府が 特許を所有しており、国内で製品化したもの。 1998年以降、“食べるシルクとカイコ”は、テレビや雑誌などでたびたび取り上げられる素材とな り、03年9月にはテレビ番組『スパスパ人間学』でシルクパウダーが紹介され、健康食品の需要が急増。現在、食品用途では、健康食品を中心に乳酸菌飲料、 麺類、パン、豆乳、アイスクリーム、菓子、漬物などにシルクが利用されている。健康食品はカプセル、錠剤、顆粒、パウダーなどの形態で流通されており、単 味製品が多い。複合品としては、黒酢、コラーゲン、シジミ、亜鉛、桑の葉など肝機能改善、美肌、ダイエット、性機能向上、抗糖尿素材との組み合わせが目立 つ。使用する原料は絹糸を微粉砕したものや、加水分解もしくは酵素処理を施したものが主流。価格帯は2.000円台から1万円台までと幅広く、9割近くが 無店舗販売ルートで流通している。 一方で、食品以外での商品開発も進み、化粧品、入浴剤、石鹸、人工皮膚、動物用飼料、農作物の肥培管理用肥料など用途は多岐にわたっている。 で は、、「食べるシルク」は消費者にどれだけ浸透しているのだろうか。絹糸から溶け出していたセリシンを抽出・精製する技術を持つセーレン㈱は、昨年3月に 「シルクとセリシンの認知」に関するインターネット調査結果を発表した。調査結果によると、食品の認知度は14%にすぎず、化粧品・シャンプーの27%を 13ポイントも下回っている。シルクの食品への道が開かれてから17年経った今でも、「食べるシルク」が十分認知されているとはいえず、各社は効率的な PRを模索している。 抗糖尿、肝機能改善素材として躍進 シルクはフィブロン(絹繊維)とセリシンという2種類のタンパク質で構成される。18種類のアミノ酸を含み、必須アミノ酸をすべて含有しているのが特徴 だ。組成別ではグリシン、アラニン、セリン、チロシンの割合が高い。機能面では、血中コレステロール低下、インスリン作用、抗アレルギー作用、肝機能改 善、血圧低下作用などが動物実験や臨床試験で確認されている。またセリシンは、保湿効果や紫外線を遮断する機能を有しており、化粧品やアパレル関連などで の利用が進んでいる。 表1 シルクパウダーの国内需給動向(kg) 2002年 2003年  セリシン 2,232 1,992  フィブロイン 69,068 68,350  計 71,300 70,272   表2 フィブロインパウダーの分野・用途別の2003年国内販売状況 食 品 数量(kg) 構成比(%) 化粧品(整髪量含む) 数量(kg) 構成比(%)  経口剤 12,529 71.3  パウダー 8,400 27.1  製麺 2,015 11.5  ファンデーション 18,000 58.1  豆腐 1,200 6.8  口紅 2,250 7.3  菓子 857 4.9  石鹸 493 1.6  調味料 240 1.4  ローション 939 3  ドリンク剤 214 1.2  その他 912 2.9  その他 515 2.9  計 30,994 100  計 17,570 100  整髪料 5,404 ー 出所:(独)農畜産業振興機構『シルク情報』 シルクペプチド、セリシンやフィブロインなどのシルクパウダーとカイコ 粉末を供給する原料サプライヤーは20社前後とみられる。(独)農畜産業振興機構によると、シルクパウダーの2003年国内販売量は前年比1.4%減の7 万272㎏となった(表1)。ファブロインパウダーのシェアが98%と圧倒しており、原料全体では国産物が87%を占める。用途別では、食品用が前年比 8.7%増の1万7.570㎏と順調に推移。化粧品用は同2.8%減の3万994㎏となった。食品の用途別構成比は健康食品が71.3%と最も高い。化粧 …

糖分の吸収を抑える「血糖値の改善確認」

糖分の吸収を抑える「血糖値の改善確認」 (2000年8月12日毎日新聞記事) 桑 の葉といえば、カイコのえさだが、人間の糖尿病の予防にも効果があることが、最近の研究で分かってきた。腸内で糖分の吸収を抑えるという。この桑の威力に 着目し、桑の葉のお茶や桑の葉の入ったパンなどを作って売る町おこし運動が登場。医療機関でも糖尿病予防に用いるところが出てきた。【小島-正美】 桑の根、葉は昔から利尿、せき止めなどの漢方薬として用いられ、.養蚕地帯では桑の葉をせんじて飲む習慣があったというが、詳しい薬理効果が分かってきたのは最近のことだ。 ◆ラットで実験  神 奈川県衛生研究所・食品薬品部長の佐藤修二さんや専門研究員の宮原智江子さんは、遺伝的に糖尿病が発症するラットを使って桑の効果を調べた。えさに桑の粉 末を加えないラットは予想通り、空腹時の血糖値が1デシリットル当たり400ミリグラムになるなど糖尿病にかかった。これに対し、えさにそれぞれ2・5 %と5%の桑の葉の粉末を混ぜた2グループの血糖値はあまり上がらず、同200ミリグラムぐらいを保った。また、桑の葉を食べないラットは、血糖値を下げ るインスリンの分泌が悪かったのに対し、桑の葉を食べたラットではインスリンの分泌が良かった。、さらに、桑の葉エキスを与えたラットは、過剰な砂糖を与 えたにもかかわらず、肝臓への中性脂肪の蓄積が抑えられ、脂肪肝を予防する効果が見られた。砂糖やでんぷんは腸内で、α(アルファ)-グルコシダーゼとい う酵素によって単糖類に分解され吸収される。桑の葉に含まれる成分(1ーデオキシノジリマイシン)は、.この酵素の一働きを邪魔して、糖の吸収を抑えると いわれている。 ◆各種ハーブと比較 国 内の糖尿病患者は現在約700万人。病状が進んで失明する人が年間約3000人もいる。玉川大学農学部講師の八並一寿さんは、糖尿病を減らすために.「桑 の葉をもっと活用すべきだ」と力説する。、八並さんが、桑の葉茶とほかの各種ハープとで、糖の吸収抑制につながる「酵素(αーグルコシターゼ)の阻害活 性」を比べたところ、桑の葉茶が際立って高かった。αーグルコシターゼの働きを邪魔する市販薬、も売られているが、桑の葉茶にも同様の効果があるわけだ。 八並さんは「糖尿病の人でも、食事前や食事中に桑の葉茶を飲めば、糖分の吸収を抑えることができる」と話す。いちいち桑の葉茶をせんじて飲まなくてもよい ように八並さんは桑の葉のエキスとプロポリス(蜂の巣から抽出した健康食品)を混ぜた「クワポリス」.を開発。これを東京都渋谷区の渋谷三丁目クリニック (豊嶋穆院長)で糖尿病の患者十数人に飲んでもらっているが、2ヵ月闇続けて飲んだ68歳の女性のケースでは、空腹時の血糖値が400から150~160 に下がるなど著しい効果が見られたという。 ◆”桑茶〃やパンで町おこし う どん、ビールにもこうした〃実績”を踏まえ、桑の生産者が比較的残っている神奈川県相模原市では今年5月、14農家や企業家が参加して「さがみ桑茶連絡協 議会」(事務局は相模原産業振興財団=-TEL042・768・266O)を結成。桑の葉だけのお茶を「さがみの桑茶」(値段は180グラム袋で20OO 円など)の名で売り出した。桑の葉の粉末を詰めたカプセルも販売している。また相模原市内では、桑茶以外にも、桑の葉の粉末を混ぜたパンやうどん、桑の葉 抽出エキスを加えたビ-ルが試作されている。いわば「桑による町おこし運動」で、他県の桑の産地にも波及しそうだ。

さわやか元気2000年4月号

韓国政府が糖尿病治療への薬効解明を支援! 食後血糖値の急上昇を抑え、インスリンの働きを促進。高血糖改善に有効率90%以上と期待される「蚕(かいこ)粉末」 「さわやか元気」(成美堂出版・2000年4月号掲載) 韓国政府の指導のもと高血糖改善作用を検証 桑の葉だけを食べて成長し、シルク(絹)を吐き出す「蚕(かいこ)」は、韓国で は神の虫・天の虫とも呼ばれていました。高価な絹糸を生み出すだけでなく、万能の民間薬として珍重されてきたのです。1597年に韓国で書かれた「東医宝 鑑」には、蚕(かいこ)そのものやサナギ、蚕蛾(成虫)などの薬効が多く記されています(腫れものや切り傷を治す、脳溢血後のマヒ、神経症、精力減退を解 消するなど)。 こうした蚕(かいこ)の効能を検証するため、韓国政府は1992年に、農村振興庁研究所とキョンフィ大学との共同研究チームを発足 させました。最重点を置かれた研究テーマは、蚕関連産物による血糖降下作用の確定です。経験的に知られてきた、糖尿病に対する蚕(かいこ)の薬効に、科学 のメスが入ったわけです。 韓国でも日本と同様、社会文明の急速な発展に伴って、過食・運動不足・ストレスの蔓延から、糖尿病患者が年々増大してい ます。糖尿病とはすなわち、血液中にブドウ糖(血糖)が多くあふれている、慢性的な高血糖状態のこと。毛細血管や神経の障害から、数々の深刻な合併症(動 脈硬化、糖尿病性白内障、腎症、手足の壊疽など)が引き起こされることはご存知のとおりです。 問題は、糖尿病を完治させる特効薬は、現時点ではな いということ。血糖を処理するインスリン注射など種々の血糖調節薬は、医療現場で活用されてはいます。しかし、効き方にバラつきがあったり、副作用(低血 糖や肝機能障害など)が生じるなど、安全かつに乗り出したのです。伝承民間薬である神の虫・蚕が、当然その筆頭として注目されました。そして結論からいえ ば、数多くの動物実験と臨床試験から確認された蚕(かいこ)の血糖降下作用は、期待以上のものだったのです。 ※ 写真:柳江善先生 食後血糖値の急上昇を防ぎ、膵臓の負担軽減 ひとくちに蚕(かいこ)関連産物といっても、卵、幼虫、サナギ、成虫などさまざ まにあります。試行錯誤の末、幼虫が脱皮を四回行って、一番大きい状態となった「5齢蚕」を冷凍乾燥で粉末にしたもの(以下、蚕(かいこ)粉末)に、すぐ れた血糖降下作用があることがわかりました。 実は、「糖尿病には5齢蚕の粉末を飲むといい」という民間療法はすでにあったのです。ただ、それは一 般に熱風で乾燥させたもので、この場合、蚕(かいこ)の消化液と血液(有効成分の酵素を含む)が黒く酸化して、不活性化してしまうのです(作用の効率が下 がる)。そこで新たに、蚕(かいこ)の酸化を防ぎつつ乾燥させる急速冷凍法が考案され、蚕(かいこ)粉末の血糖上昇抑制効果は格段にアップしたわけです。 蚕 (かいこ)粉末の働きを調べた動物実験と臨床試験については、別枠にまとめました。強調できるのは、糖尿病患者を対象とした臨床試験で、患者が病院の薬を 飲みながら蚕(かいこ)粉末を摂取して、血糖値が改善した点です。蚕(かいこ)粉末は純粋に天然の素材なので、医薬品と併用しても問題はないといえます。 その後、血糖値が下がれば、医薬品の量を減らすことも十分可能でしょう。 なお、この試験では四週目以後のデータはありませんが、追跡調査からみて、蚕(かいこ)粉末の有効率は90%以上と考えています。 では、蚕(かいこ)粉末はどのようなメカニズムにより、高血糖を改善させるのか。私たちが食事からとりいれた炭水化物(ご飯、麺、砂糖など)は主に小腸で「単糖類」に分解されて、血液内に吸収されます。その結果、食後の血糖値はグンと上昇するわけです。 一 方、蚕(かいこ)粉末は食物と一緒に小腸に到達すると、炭水化物を単糖類に分解する酵素(αグルコシダーゼ)の活性を抑制します。すなわち、糖の分解と血 液内への吸収が遅れて、食後血糖値の上昇はゆるやかになることに。インスリン(血液中の糖を細胞に届けるホルモン)を分泌する、膵臓の負担も軽減されるで しょう。少しずつ血液中に吸収される糖を、ゆっくり処理することができるからです。 もうひとつ、蚕(かいこ)粉末が細胞の「インスリン抵抗性」を改善する点も注目できるでしょう。このしくみは現在研究中ですが、簡単にいえば、細胞に対するインスリンの作用を正して、血糖値をすみやかに下げるということです。 ●データに現われた蚕(かいこ)粉末の高血糖改善作用 図1はラットを3グループに分け、普通のエサ、高炭水化物のエサ、高炭水化物の エサ+蚕(かいこ)粉末を与えて、血糖値の推移を観察したもの。高炭水化物のエサを与えたマウスは急激に血糖値が上昇し、4週間後には157に。普通のエ サのグループは94。しかし、高炭水化物+蚕(かいこ)粉末のグループは、4週間後で115とさほど血糖値は上がらなかった。そして10週間後には、普通 のエサのグループと変わらない血糖値に。蚕(かいこ)粉末が血糖値の急上昇を防ぎ、適正にとどめていく様子が観察された。 図2は糖尿病患者(薬物 治療中の患者16名=Aグループ、薬を服用していない患者7名=Bグループ)を対象とした試験の結果。蚕(かいこ)粉末を一回500mgずつ、一日三回投 与し、試験前と試験開始四週間後の血糖値を比較した。その結果、A・Bグループとも空腹時と食後二時間の血糖値が降下。数年間、食事・運動療法を行ってき た患者も、これほどの改善はみれなかった。注目されるのは食後血糖値が低く抑えられたことで、これは空腹時の低血糖を心配しなくてもよいことを現してい る。 図1●飼料別マウスの血糖値変化 図2●糖尿患者の血糖値変化(単位はmg/dl) 蚕粉末服用前 蚕粉末服用4週間後 空腹時 食後 2時間 空腹時 食後 2時間 Aグループ 138 245 128 197 Bグループ 175 272 158 209 低血糖などの副作用を起こさない天然成分 蚕(かいこ)粉末の有効成分では、まず糖分解を阻害する酵素があげられます。も ともと桑の葉が含んでいるアミノ酸も、当然豊富に含有しています。グリシン(血中コレステロール低下)、アラニン(肝機能保護)、ルシン(痴呆症予防)、 セリン(血中コレステロール低下)などで、桑の葉の含有量より2~4倍多いことも見逃せません。 なお、蚕(かいこ)の飼育では、非常に潔癖な環境 が求められるものです。騒音、ホコリはむろん、エサとなる桑の葉に農薬は残留していたり、病原菌に侵されると死んでしまいます。裏返せば、蚕(かいこ)粉 末は純粋な天然成分であり、化学薬品のような副作用の心配は無用でしょう。摂取量を増減して行った臨床試験でも、低血糖をはじめとした副作用は報告されま せんでした。 蚕(かいこ)が糖尿病改善にもたらす効果と安全性、適正な摂取量は、95年3月に正式に発表されました。「東亜日報」「韓国日報」な ど新聞各紙、KBS、MBCなどのテレビ局はこぞって報道しています。さらに韓国政府は、自国はもちろん、中国、日本で蚕(かいこ)粉末とその製造方法を 特許出願し、日本では98年に登録されました。韓国政府研究所と提携した日本の薬品会社によって、蚕(かいこ)粉末は健康食品という形ですでに流通してい ます。 私自身、蚕(かいこ)粉末が食後血糖の急上昇を抑える効果は、医薬品にも劣らないと実感しています。血液と血管の異常を改善することから、 糖尿病のみならず、高血圧、肝機能低下、心筋梗塞、脳梗塞の予防にも有望でしょう。幅広い病気予防効果をもつ蚕(かいこ)粉末への社会的関心は、一層高ま ると思われます。 無理のない血糖値コントロールに合理的 糖吸収を適度なペースに正して、体全体の機能を癒す「蚕(かいこ)粉末」 ※医学博士 松田育三さん談 糖尿病治療で一般に指導される極端の食事制限とは、マイナス思考に偏りすぎてる、と私は考えています。大切なのは、過食や偏食でとりすぎていた不要なものを控えることで、やみくもに食事量を減らすことではない。 実 際、患者の生活を考えれば、食べなければ気力・体力はわかず、空腹に耐えるストレスもつのります。これだは、継続できないのも無理からぬところでしょう。 糖尿病は、一朝一夕に改善できる病気ではありません。つまり、その養生法は心身に負担をかけず、長く実行できるものが望ましい。そこで選択肢のひとつとし てあげられるのが、健康食品の利用です。 「医食同源」というとおり、人間の健康は身近な食べものの力で癒されるのが、本来自然な姿であります。た だ、現代社会を取り巻く、いわば文明の害(環境汚染、添加物を含む食品、ストレスなど)から、心身のバランスを守るには、新たに人間は知恵を絞らなくては なりません。その知恵のひとつが、天然の食べものの薬効を凝縮して、機能を強調した食品、すなわち健康食品というわけです。 特に「蚕(かいこ)粉末」に関しては、韓国で発表された論文に目を通し、含有成分や作用のしくみを知るにつれ、無理のない血糖値のコントロールに合理的と感じました。 蚕(かいこ)粉末で強調できる作用は、小腸からの単糖類の吸収をゆっくりにすることです。血中に少しずつ糖が溶け込むことで、食後の血糖値の急上昇が抑制されるのです。インスリン(血糖を細胞に届けて処理するホルモン)を分泌する、膵臓の負担も軽減されるでしょう。 そ もそも、糖尿病患者の体とは、膵臓機能に限らず、すべてのサイクルが空回りしている状態と考えることができます。食べものから糖を大量に分解吸収しても、 細胞でうまく活用されずに、どんどん尿中の排出されてしまう。言葉は悪いですが、小腸、膵臓、肝臓等の機能が、いわば懸命にムダ働きをしているわけです。 その結果、長年の間に体に蓄積するダメージは決して軽視できません。人間の体の機能とは、まったく使わなければ衰えるものですが、100%の活動状態を強 いられても、早晩つぶれてしまうものなのです。 この空回り状態に歯止めをかける働きが、蚕(かいこ)粉末には期待できます。糖吸収のスピードを遅 らせて、いったんクッションを置くことで、糖代謝を体に適したペースに修正するわけです。これが糖尿病の養成に有効であるとともに、ひいてはすべての機能 を長持ちさせることにつながります。 実際、蚕(かいこ)粉末と同様の作用をもつ糖尿病治療の薬も開発されており、現代的な治療の方向にも沿ってい るといえます。ただ、糖尿病の薬物治療では、低血糖や肝障害などの副作用の危険がときに生じますが、蚕(かいこ)粉末に関しては摂取量に関わらずそうした 報告はされていません。天然の素材から薬効を凝縮した、あくまで「食品」として位置付けられるものであり、体内の糖代謝を不自然の阻害することはないと考 えられます。それだけに、糖尿病患者の日常の体調管理に役立つ、無理のない養生法として評価できるでしょう。 △体験談・蚕(かいこ)粉末で血糖値改善 腎移植後に急上昇した血糖値を蚕(かいこ)粉末が改善、職場復帰できた                       大阪府大阪市 浅野由行さん 32歳 …

「さわやか元気」(成美堂出版・2000年4月号掲載)

韓国政府が糖尿病治療への薬効解明を支援! 食後血糖値の急上昇を抑え、インスリンの働きを促進。高血糖改善に有効率90%以上と期待される「蚕(かいこ)粉末」 「さわやか元気」(成美堂出版・2000年4月号掲載) 韓国政府の指導のもと高血糖改善作用を検証 桑の葉だけを食べて成長し、シルク(絹)を吐き出す「蚕(かいこ)」は、韓国で は神の虫・天の虫とも呼ばれていました。高価な絹糸を生み出すだけでなく、万能の民間薬として珍重されてきたのです。1597年に韓国で書かれた「東医宝 鑑」には、蚕(かいこ)そのものやサナギ、蚕蛾(成虫)などの薬効が多く記されています(腫れものや切り傷を治す、脳溢血後のマヒ、神経症、精力減退を解 消するなど)。 こうした蚕(かいこ)の効能を検証するため、韓国政府は1992年に、農村振興庁研究所とキョンフィ大学との共同研究チームを発足 させました。最重点を置かれた研究テーマは、蚕関連産物による血糖降下作用の確定です。経験的に知られてきた、糖尿病に対する蚕(かいこ)の薬効に、科学 のメスが入ったわけです。 韓国でも日本と同様、社会文明の急速な発展に伴って、過食・運動不足・ストレスの蔓延から、糖尿病患者が年々増大してい ます。糖尿病とはすなわち、血液中にブドウ糖(血糖)が多くあふれている、慢性的な高血糖状態のこと。毛細血管や神経の障害から、数々の深刻な合併症(動 脈硬化、糖尿病性白内障、腎症、手足の壊疽など)が引き起こされることはご存知のとおりです。 問題は、糖尿病を完治させる特効薬は、現時点ではな いということ。血糖を処理するインスリン注射など種々の血糖調節薬は、医療現場で活用されてはいます。しかし、効き方にバラつきがあったり、副作用(低血 糖や肝機能障害など)が生じるなど、安全かつに乗り出したのです。伝承民間薬である神の虫・蚕が、当然その筆頭として注目されました。そして結論からいえ ば、数多くの動物実験と臨床試験から確認された蚕(かいこ)の血糖降下作用は、期待以上のものだったのです。 ※ 写真:柳江善先生 食後血糖値の急上昇を防ぎ、膵臓の負担軽減 ひとくちに蚕(かいこ)関連産物といっても、卵、幼虫、サナギ、成虫などさまざ まにあります。試行錯誤の末、幼虫が脱皮を四回行って、一番大きい状態となった「5齢蚕」を冷凍乾燥で粉末にしたもの(以下、蚕(かいこ)粉末)に、すぐ れた血糖降下作用があることがわかりました。 実は、「糖尿病には5齢蚕の粉末を飲むといい」という民間療法はすでにあったのです。ただ、それは一 般に熱風で乾燥させたもので、この場合、蚕(かいこ)の消化液と血液(有効成分の酵素を含む)が黒く酸化して、不活性化してしまうのです(作用の効率が下 がる)。そこで新たに、蚕(かいこ)の酸化を防ぎつつ乾燥させる急速冷凍法が考案され、蚕(かいこ)粉末の血糖上昇抑制効果は格段にアップしたわけです。 蚕 (かいこ)粉末の働きを調べた動物実験と臨床試験については、別枠にまとめました。強調できるのは、糖尿病患者を対象とした臨床試験で、患者が病院の薬を 飲みながら蚕(かいこ)粉末を摂取して、血糖値が改善した点です。蚕(かいこ)粉末は純粋に天然の素材なので、医薬品と併用しても問題はないといえます。 その後、血糖値が下がれば、医薬品の量を減らすことも十分可能でしょう。 なお、この試験では四週目以後のデータはありませんが、追跡調査からみて、蚕(かいこ)粉末の有効率は90%以上と考えています。 では、蚕(かいこ)粉末はどのようなメカニズムにより、高血糖を改善させるのか。私たちが食事からとりいれた炭水化物(ご飯、麺、砂糖など)は主に小腸で「単糖類」に分解されて、血液内に吸収されます。その結果、食後の血糖値はグンと上昇するわけです。 一 方、蚕(かいこ)粉末は食物と一緒に小腸に到達すると、炭水化物を単糖類に分解する酵素(αグルコシダーゼ)の活性を抑制します。すなわち、糖の分解と血 液内への吸収が遅れて、食後血糖値の上昇はゆるやかになることに。インスリン(血液中の糖を細胞に届けるホルモン)を分泌する、膵臓の負担も軽減されるで しょう。少しずつ血液中に吸収される糖を、ゆっくり処理することができるからです。 もうひとつ、蚕(かいこ)粉末が細胞の「インスリン抵抗性」を改善する点も注目できるでしょう。このしくみは現在研究中ですが、簡単にいえば、細胞に対するインスリンの作用を正して、血糖値をすみやかに下げるということです。 ●データに現われた蚕(かいこ)粉末の高血糖改善作用 図1はラットを3グループに分け、普通のエサ、高炭水化物のエサ、高炭水化物の エサ+蚕(かいこ)粉末を与えて、血糖値の推移を観察したもの。高炭水化物のエサを与えたマウスは急激に血糖値が上昇し、4週間後には157に。普通のエ サのグループは94。しかし、高炭水化物+蚕(かいこ)粉末のグループは、4週間後で115とさほど血糖値は上がらなかった。そして10週間後には、普通 のエサのグループと変わらない血糖値に。蚕(かいこ)粉末が血糖値の急上昇を防ぎ、適正にとどめていく様子が観察された。 図2は糖尿病患者(薬物 治療中の患者16名=Aグループ、薬を服用していない患者7名=Bグループ)を対象とした試験の結果。蚕(かいこ)粉末を一回500mgずつ、一日三回投 与し、試験前と試験開始四週間後の血糖値を比較した。その結果、A・Bグループとも空腹時と食後二時間の血糖値が降下。数年間、食事・運動療法を行ってき た患者も、これほどの改善はみれなかった。注目されるのは食後血糖値が低く抑えられたことで、これは空腹時の低血糖を心配しなくてもよいことを現してい る。 図1●飼料別マウスの血糖値変化 図2●糖尿患者の血糖値変化(単位はmg/dl) 蚕粉末服用前 蚕粉末服用4週間後 空腹時 食後 2時間 空腹時 食後 2時間 Aグループ 138 245 128 197 Bグループ 175 272 158 209 低血糖などの副作用を起こさない天然成分 蚕(かいこ)粉末の有効成分では、まず糖分解を阻害する酵素があげられます。も ともと桑の葉が含んでいるアミノ酸も、当然豊富に含有しています。グリシン(血中コレステロール低下)、アラニン(肝機能保護)、ルシン(痴呆症予防)、 セリン(血中コレステロール低下)などで、桑の葉の含有量より2~4倍多いことも見逃せません。 なお、蚕(かいこ)の飼育では、非常に潔癖な環境 が求められるものです。騒音、ホコリはむろん、エサとなる桑の葉に農薬は残留していたり、病原菌に侵されると死んでしまいます。裏返せば、蚕(かいこ)粉 末は純粋な天然成分であり、化学薬品のような副作用の心配は無用でしょう。摂取量を増減して行った臨床試験でも、低血糖をはじめとした副作用は報告されま せんでした。 蚕(かいこ)が糖尿病改善にもたらす効果と安全性、適正な摂取量は、95年3月に正式に発表されました。「東亜日報」「韓国日報」な ど新聞各紙、KBS、MBCなどのテレビ局はこぞって報道しています。さらに韓国政府は、自国はもちろん、中国、日本で蚕(かいこ)粉末とその製造方法を 特許出願し、日本では98年に登録されました。韓国政府研究所と提携した日本の薬品会社によって、蚕(かいこ)粉末は健康食品という形ですでに流通してい ます。 私自身、蚕(かいこ)粉末が食後血糖の急上昇を抑える効果は、医薬品にも劣らないと実感しています。血液と血管の異常を改善することから、 糖尿病のみならず、高血圧、肝機能低下、心筋梗塞、脳梗塞の予防にも有望でしょう。幅広い病気予防効果をもつ蚕(かいこ)粉末への社会的関心は、一層高ま ると思われます。 無理のない血糖値コントロールに合理的 糖吸収を適度なペースに正して、体全体の機能を癒す「蚕(かいこ)粉末」 ※医学博士 松田育三さん談 糖尿病治療で一般に指導される極端の食事制限とは、マイナス思考に偏りすぎてる、と私は考えています。大切なのは、過食や偏食でとりすぎていた不要なものを控えることで、やみくもに食事量を減らすことではない。 実 際、患者の生活を考えれば、食べなければ気力・体力はわかず、空腹に耐えるストレスもつのります。これだは、継続できないのも無理からぬところでしょう。 糖尿病は、一朝一夕に改善できる病気ではありません。つまり、その養生法は心身に負担をかけず、長く実行できるものが望ましい。そこで選択肢のひとつとし てあげられるのが、健康食品の利用です。 「医食同源」というとおり、人間の健康は身近な食べものの力で癒されるのが、本来自然な姿であります。た だ、現代社会を取り巻く、いわば文明の害(環境汚染、添加物を含む食品、ストレスなど)から、心身のバランスを守るには、新たに人間は知恵を絞らなくては なりません。その知恵のひとつが、天然の食べものの薬効を凝縮して、機能を強調した食品、すなわち健康食品というわけです。 特に「蚕(かいこ)粉末」に関しては、韓国で発表された論文に目を通し、含有成分や作用のしくみを知るにつれ、無理のない血糖値のコントロールに合理的と感じました。 蚕(かいこ)粉末で強調できる作用は、小腸からの単糖類の吸収をゆっくりにすることです。血中に少しずつ糖が溶け込むことで、食後の血糖値の急上昇が抑制されるのです。インスリン(血糖を細胞に届けて処理するホルモン)を分泌する、膵臓の負担も軽減されるでしょう。 そ もそも、糖尿病患者の体とは、膵臓機能に限らず、すべてのサイクルが空回りしている状態と考えることができます。食べものから糖を大量に分解吸収しても、 細胞でうまく活用されずに、どんどん尿中の排出されてしまう。言葉は悪いですが、小腸、膵臓、肝臓等の機能が、いわば懸命にムダ働きをしているわけです。 その結果、長年の間に体に蓄積するダメージは決して軽視できません。人間の体の機能とは、まったく使わなければ衰えるものですが、100%の活動状態を強 いられても、早晩つぶれてしまうものなのです。 この空回り状態に歯止めをかける働きが、蚕(かいこ)粉末には期待できます。糖吸収のスピードを遅 らせて、いったんクッションを置くことで、糖代謝を体に適したペースに修正するわけです。これが糖尿病の養成に有効であるとともに、ひいてはすべての機能 を長持ちさせることにつながります。 実際、蚕(かいこ)粉末と同様の作用をもつ糖尿病治療の薬も開発されており、現代的な治療の方向にも沿ってい るといえます。ただ、糖尿病の薬物治療では、低血糖や肝障害などの副作用の危険がときに生じますが、蚕(かいこ)粉末に関しては摂取量に関わらずそうした 報告はされていません。天然の素材から薬効を凝縮した、あくまで「食品」として位置付けられるものであり、体内の糖代謝を不自然の阻害することはないと考 えられます。それだけに、糖尿病患者の日常の体調管理に役立つ、無理のない養生法として評価できるでしょう。 △体験談・蚕(かいこ)粉末で血糖値改善 腎移植後に急上昇した血糖値を蚕(かいこ)粉末が改善、職場復帰できた                       大阪府大阪市 浅野由行さん 32歳 …

脚光浴びる桑葉、蚕(カイコ)、シルク

脚光浴びる桑葉、蚕(カイコ)、シルク (健康産業流通新聞・1999年11月11日号から抜粋) 今 春、桑葉の機能性がテレビで紹介されたとこを発端に桑葉商品の売上げが伸びている。桑葉のみに含まれるDNJ(1.-デオキシノジリマイシン)の糖吸収抑 制の機能性が脚光を浴びたからだ。その桑葉を唯一の食品源とする蚕(カイコ)にもDNJが豊富に含まれていることから商品開発が活発化、さらには廃棄され ていた絹を加工したシルクペピチドも健食に利用されており、三つの素材が相乗的に市場を形成するようになっている。そのなかでも5年程前に健食素材として 登場したシルクペプチドは、イメージの良さと目新しさから現在では主原料及びサブ原料として用いられるケースが多く、実績ある素材として定着しつつある。 また韓国からの輸入に頼っていた蚕(カイコ)粉末も、国内産の原料が流通しはじめ、桑葉もエキス原料を揃えるなど、商品化が進む環境は整えられている。こ の十、十一月だけでも、シルクペプチド、桑葉及びエキスを添加した商品が大手メーカー数社から上市され、市場の拡大基調がみられている。桑葉、蚕(カイ コ)、シルクにスポットをあててみた。 (中略) 生活習慣病対応で進む商品化 「蚕(カイコ)」 ㈱ オノジュウ(東京都新宿区)は「シルクパワー」(300㍉㌘×270錠・1万2000円)を今年二月に発売。全国3000件のオノジュウチェーンの薬局・ 薬店の他、健食ルートなどが主な販路。蚕(カイコ)粉末99%を使い、アラビアガムで錠剤化している。桑葉成分が含有される他、必須アミノ酸を含む18種 類のアミノ酸、カリウム、カルシウム、鉄、亜鉛などのミネラル、食物繊維などが豊富なのが特徴。医療機関のデータでは血糖値が200以上あった人が3ヶ 月~半年で正常値に近づくことが判明。チラシやPOPを配布し、研究会を開催するなどで啓発活動を展開。初年度2億円の売上げを見込む。 スノー デン㈱(東京都千代田区)は「グルコバランス」(300㍉㌘×270粒・1万5000円)を今年九月に発売。蚕(カイコ)粉末を主原料に、桑葉エキス、ニ ガウリエキス、ギムネマシルベスタエキス、プラセンタエキスなどを配合した。蚕(カイコ)粉末、桑葉エキスの機能に加え、ニガウリエキスには動脈硬化予 防・改善作用、ギムネマには糖吸収抑制作用、プラセンタには保湿・新陳代謝促進作用などがあることがわかっている。通販を主体に、OEM供給も行ってい く。 ボンビックス薬品㈱(大阪市中央区)は「ボスリン」(270錠・1万2000円)を昨年七月より自社通販、一部の薬局・薬店から販売。蚕 (カイコ)粉末を主原料に錠剤化した。売上げは、今年に入って、蚕(カイコ)粉末の有用性を説いた「さらば糖尿病」が上梓されたこともあって伸長、月間 2000本前後を販売している。顧客のフォローとして薬系ルートに三人のカウンセラーを置き、健康相談に応じている。今後、薬局・薬店の他、通販ルートな どの販路も拡大する意向。 一般食品・飲料へ利用拡大 「シルク」 全 国養蚕農業協同組合連合会・絹事業部(東京都千代田区)は全国農協組織、生協、デパート、JALなどが販路。シルクプロテインをベースに桑の葉、西洋人参 粉などを加えた「スーパーシルク」(250㍉㌘×350粒・3800円)や「シルクパウダー」(250㌘・3500円)があり、パウダーは月間200㌔㌘ を販売。食品用途で原料供給も行い、酸加水分解シルクを年間7㌧消費。 ㈱日鉱(愛知県丹羽郡)は今春“食べるシルク”3タイプを発売。アミノ酸 タイプは乳製品、無糖甘味料などが用途。オリゴペプチドタイプは栄養ドリンク、健食、化粧品向け。プロテインタイプは健食、化粧品向け。自社商品「食べる シルク」(150㌘・1万2000円)は直販主体に販売。PB商品の開発にも応じ、蚕(カイコ)原料も用意。 (有)プロザテック(千葉県千葉市)は酵素分解した「M-500」、加水分解した「M-300」、500をさらに改良した「M-3000」の3タイプを用意。健食の他、清涼飲料水、菓子などにも採用されており、企画開発も行う。 金 亀糸業㈱(東京都中央区)は昨年十一月「シルクロマン」(2㌘×30袋・7500円)を発売。国産繭を酵素分解したシルクパウダーに発酵乳酸カルシウム、 ショ糖エステルを配合、アミノ酸単体よりも腸管での吸収がいい。昨年八月の「第15回和漢医薬学会大会」では、国立大阪外大保健管理センター・梶本修身医 師らが、肝機能障害およびアトピー性皮膚炎に対する効果の臨床研究を発表。自社通販、薬局、健食ショップで販売。 ㈱ケニー(名古屋市港区)は今 年七月「ケニーのバイオシルク」(2.5㌘×30スティック・6800円)を発売。シルクパウダー、粉末発酵乳、オリゴ糖、有胞子性乳酸菌、ムコ多糖タン パク複合体、ビタミンCなどを配合。絹タンパクを加水分解しており様々な分子量のアミノ酸、ペプチド、プロテインを含有。高分子のシルクパウダーは消化吸 収されず糖や脂質と結合、発酵乳・有胞子性乳酸菌・オリゴ糖とともに整腸作用を発揮。分子量が200~300のものは約90%が吸収される。通販主体に販 売、七~十月の売上は約300万円。 ㈱島路(広島県福山市)は8年前に“絹の風シリーズ”として「シルクパウダー」(20㌘・2000円)を発売。食べる他、ファンデーションなどに加えて利用でき、健食ショップ、通販、生協などが販路。 盛 田㈱(名古屋市中区)は今年三月「シルク・ウォーター」(500㍉㍑・140円)を発売、東京農工大。名誉教授の平林潔氏、(社)日本絹業協会・ジャパン シルクセンターの協力で開発。天然水をベースに酵素分解したシルクペプチド、ビタミンC、コラーゲンを配合。ライチの後味と100㍉㍑16㌔㌍が売りで、 10代後半~25歳の女性がターゲット。 桑葉・DNJが糖吸収を抑制 桑葉は、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などの必須微量ミネラルや食物繊維、フラボノイドを豊富に含み、桑葉のみに含まれる1-デオキシノジリマイシン(DNJ)などとの相乗効果で様々な機能性を発揮する。 桑葉についての研究は神奈川県の研究機関が活発に行っている。神奈川県科学技術政策推進委員会・機能性食品共同研究プロジェクトチームは、桑葉の脂質低下、肥満抑制、発ガン抑制効果などを報告した。 同県衛生研究所は、糖分解酵素・α-グルコシダーゼを阻害することで、小腸からの糖吸収を強力に抑制する作用のあることや、コレステロール・中性脂肪の抑制作用、血糖値および血圧の正常化作用、インスリン分泌改善作用、肝機能改善作用などのあることを解明した。 また、同県がんセンターは、肝臓がんの抑制作用を確認、群馬県立医療短期大の下村教授らも桑葉による体重抑制作用を確認した。 韓国では血糖降下剤の蚕(カイコ)粉末 蚕(カイコ)は桑葉成分を体内に蓄積し、液状シルクを造成、必須アミノ酸を含む18種類のアミノ酸、カリウム、亜鉛、体内でビタミンAに転化されるカロチン、ビタミンE、カルシウム、鉄、食物繊維などを含んでいる。 こ の蚕(カイコ)については、韓国政府の農業振興庁研究所とキョンフィ大学が共同研究を行った。四~五齢のさなぎになる直前の段階まで成長した蚕(カイコ) を酸加防止処理した後、冷凍乾燥した粉末を使い、成分分析、有効成分の検索、基礎実験、臨床試験を実施。蚕(カイコ)粉末には血糖降下作用があり、そのメ カニズムは、蚕(カイコ)の食料である桑葉に糖の吸収を抑制し、血糖値を下げる成分が含まれており、蚕(カイコ)にはこの成分が効率よく生体に濃縮されて いることが判明した。 これらもデータによって、韓国内ではもちろん、日本においても昨年三月に「蚕(カイコ)粉末を有効成分として含む血糖降下剤及びその製造方法」の発明名称で正式に特許登録された。 新陳代謝を促進、シルクペプチド 食 べるシルクとして科学的研究に取り組んだのは、東京農工大・名誉教授の平林潔氏で、フィブロインというタンパク質でできたシルクのアミノ酸の機能性に着目 し、これを分解した水溶性シルクによるラットの実験で様々な機能性を証明した。フィブロインには18種類のアミノ酸が含まれ、グリシン、セリン、アラニ ン、チロシンで全体の86.7%を占め、他にロイシン、トリプトファンなど8種類の必須アミノ酸を含んでいる。最も多いグリシンは、体内に入った有害物質 を肝臓の中で排泄されやすい形に変える解毒作用があり、コレステロール低下作用、高血圧・動脈硬化の予防・改善作用、新陳代謝促進作用などがある。このグ リシンと相互変換するセリンによって、血中インスリン濃度が増加することも確認されている。 また、アラニンは、アルコールの代謝を促進し、悪酔いや二日酔いを予防、肝臓の負担を軽減する。さらに脳の神経伝達物質・ドーパミンの材料となるチロシンは、痴呆や神経障害の予防・回復に役立つ。 シ ルクの分子量は高分子で、そのままでは体内に吸収されないが、加水分解するとアミノ酸やオリゴペプチドの状態になり、腸壁からの吸収率は90~95%とな る。この加水分解したシルクを冷凍乾燥するとアミノ酸が約60%、オリゴペプチドが約40%というシルクパウダーが得られる。

韓国に古くから伝わる【蚕(カイコ)の粉末】のすごい効果

韓国に古くから伝わる【蚕(カイコ)の粉末】のすごい効果 (健康1999年7月号) ● 血糖値が450⇒72mg/dl下がった● ● 10日間で62mg/dlも血糖値がダウン● 糖尿病患者に朗報! 毎食後3粒10日で効いた 【蚕(カイコ)の粉末】を飲み始めたら血糖値が450⇒72mg/dlにみるみる低下。 緑内障や手足のしびれなど、不快な合併症も改善した 大阪府 宋東述(72才・元教員) 戦争中の食糧不足で、飢えというものを経験したせいでしょう。お恥ずかしい話ですが、私は食べ物に関する執着が人より強く、一食につきごはんを、お茶わん5杯は食べていました。 そのせいか、30代後半になると、みるみる太りだし、身長172cmで体重が90kgに。それでも、特に体調が悪いということもなかったので、太ったことを、たいして気にはしていませんでした。 ところが、60才で定年となり、一日じゅう、家でのんびり過ごすようになると、運動不足からか血糖値が450mg/dl(正常値は60~100mg/dl)まで上昇。 そのうえ、痔や尿路結石、腎臓炎、手足のしびれや緑内障などさまざまな症状があらわれたのです。これらはすべて糖尿病の合併症でした。 こうした合併症を治すために、10年間で8回も手術を受け、そのつど3カ月の入院を強いられました。普通の人なら20日で退院できるはずが、私は糖尿病で血管が弱り、血液の流れが悪いため、傷の治りが異常に遅かったのです。 長い入院生活は、運動不足に拍車をかけ、血糖値はどんどん上がっていきました。しまいには、あまりに血糖値が高くなりすぎて、病院の検査計では測定不可能となってしまったのです。これが4年前のことでした。 そこで、施設のととのった大学病院へ通うことにし、薬を使った治療を開始。しかし、依然として、正常値にはほど遠く、どうしたらよいものかと悩んでいたのです。 そして、昨年の12月、知人から【蚕(カイコ)の粉末】に血糖値を下げるはたらきがあると聞きました。 念のため、薬を処方してもらっている医師に【蚕(カイコ)の粉末】の成分表を見せ、飲んでもいいものかと相談。すると、「私が出している薬に近い成分が 入っているね」といい、飲んでもよいと許可が出たのです。さっそく私は、【蚕(カイコ)の粉末】を毎食後3粒ずつ飲むことにしました。 【蚕(カイコ)の粉末】を飲み始めて、その効果を感じたのは10日目のこと。その日、夕方の5時ごろになって、空腹を感じている自分に気づきました。 糖尿病になってからの私は、体内の糖の代謝が狂っていたために「おなかがすいたな」と感じることはありませんでした。そのかわり、空腹になるたび、寒けやめまいに襲われていたのです。 ですから、このような心地よい自然な空腹感を覚えたのは、何十年ぶり。とてもうれしく思いました。 また、痔になるほどのひどい便秘症だったのが、すっかり改善しました。便がかたいため、グッと力を入れ、ゆっくり出していたのですが、いまは、毎日いきまずにツルッと出ます。どうやら【蚕(カイコ)の粉末】は便秘にも効くようです。 そして高かった血糖値は順調に下がり、1カ月後に112mg/dl、3カ月後には73mg/dlまで下がりました。この急激な数値の変化には、医師もほんとうにびっくりしていました。 おかげで糖尿病の合併症だった、手足のしびれもすっかりおさまりました。 目の調子もよく、視界は良好。おかげで、近ごろ始めたパソコンの勉強がはかどり、楽しい毎日です。 毎食後に3粒10日で下がった わずか10日で血糖値が146⇒84mg/dlにダウン!【蚕(カイコ)の粉末】の即効性にびっくり                               福岡県 渡辺一美(66才・無職) 私が蚕(カイコ)の粉末を飲み始めたのは、いまから2カ月前のことになります。ある新聞にのっていた「蚕(カイコ)を食べると血糖値が下がる」という記事を見て、さっそく試してみたのです。 私は、4年前に脳梗塞で倒れて以来、足が思うように動かなくなってしまいました。そのため極度の運動不足になり、それが原因で糖尿病になってしまったのです。 体を動かすことが、血糖値を下げるいちばんの薬だとわかっていても、私にはそれができません。 そこで、お茶、漢方薬、健康食品など糖尿病に効くという食品は、何でも試してきました。どれも半年以上つづけるようにしたのですが、特に効果を実感したものはありませんでした。 ですから、蚕(カイコ)の粉末もだめでもともと、と思いながら飲み始めたのです。 飲み方は朝昼晩、3回の食事のあとに、3粒ずつ飲むようにしました。「蚕(カイコ)を飲む」というと気持ちが悪いと思われるかもしれませんが、粒になったものを水で飲み下すだけなので、特に抵抗はありませんでしたよ。 蚕(カイコ)の粉末を飲み始めた10日後、ちょうど病院で検査があり、血糖値を測ってもらいました。すると、前回146mg/dlだったのが84mg/dl(正常値60~100mg/dl)に下がっているではありませんか。 たった10日で62mg/dlも下がるなんてほんとうに驚きました。もちろん、現在も、私の血糖値は80mg/dl前後で安定。蚕(カイコ)の粉末には、ほんとうに感謝しています。 90%以上の確率で糖尿病が改善。副作用もない【蚕(カイコ)の粉末】は、韓国で20万人以上の人が愛用                  農業科学技術院応用蚕桑研究室 農学博士 柳江善  漢方の先進国である韓国は、古くから「百僵蚕」と呼ばれる生薬、つまり蚕(カイコ)を糖尿病の薬として珍重してきました。 現在でも、韓国のデパートでは乾燥した蚕(カイコ)を袋詰めにして売っています。そして実際に、20万人以上の人が、糖尿病改善や健康維持のために乾燥した蚕(カイコ)を食べているのです。 これだけ多くの人が信じて疑わない蚕(カイコ)の効果を、本格的に研究したい・・・・そう望んでいた私は、94年から国のバックアップを得て、漢方の研究で有名な慶熙大学と共同で蚕の研究をすることになったのです。 まず、なぜ蚕(カイコ)が血糖値を下げるのか、その成分を分析してみました。すると、デオキシノジリマイシンという物質が含まれていることがわかったのです。 このデオキシノジリマイシンは、体内での糖の急速な分解を防ぎます。さらに、血液中の糖が送り出されるのを遅らせるので、食後の急な血糖の増加を防止する効果があるのです。 糖尿病の薬には、食後の血糖の増加を抑えても、空腹時の血糖が極端に足りない状態にしてしまうものがあります。しかし、蚕(カイコ)は自然から摂取した健康食品ですから、このような副作用はありません。 韓国の安全性研究センターにおいては、人体に対して有毒になる成分はないかを調べ、「安全である」という保証も受けています。 次の研究課題は、この蚕(カイコ)の最も効果的なとり方でした。 さまざまな研究の結果、4回脱皮して3日たった蚕を冷凍処理し、粉末にしたものがいちばん効果が高いということがわかりました。 糖尿病に悩む患者数十人に、その蚕(カイコ)の粉末を飲んでもらったところ、なんと90%以上の人の血糖値が下がったのです。 また、蚕(カイコ)の粉末の効果は糖尿病以外にも、さまざまな症状に効果があることがわかってきています。 現在、くわしいデータを集めているところですが、蚕(カイコ)の粉末が体によい食品であることは、まちがいないでしょう。 蚕(カイコ)を食べる習慣のない日本の皆さんにもぜひ、利用してみてはいかがでしょうか。  

1 2 »

アーカイブ

No archives to show.

カテゴリー

  • No categories
PAGETOP
Copyright © 健康マテリアル All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.