健康素材の研究、蚕の研究や糖尿病に関する情報発信を行っています

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難消化性デンプン

難消化性デンプン(「健康」07年3月号) 小腸で消化・吸収されないため、血糖値をゆっくりと上昇させる「難消化性デンプン」とは  (医学博士・茨城キリスト教大学教授・板倉弘重先生) 板倉先生のPROFILE 1961年、東京大学医学部卒業。同第3内科講師、国立健康・栄養研究所臨床栄養部をへて現職。脂質代謝、動脈硬化、抗酸化物質などの研究で第一人者として知られる 消化されにくいデンプンが糖尿病の救世主になる ごはん、パン、麺類などの主成分はデンプン。いわゆる主食と呼ばれるものばかりですね。 でも、「太りそう」「血糖値を上げそう」という印象を抱いている人も多いのでは?じつは、これらの食品に含まれるデンプンも性質に違いがあることがわかってきたのです。 近年の研究で「デンプン」には、 ① 消化・吸収のいい性質を持つデンプン ② 消化・吸収されにくい性質を持つデンプン があることがわかりました。 ②のデンプンは、消化・吸収されにくい性質から、「難消化性デンプン」、あるいは「レジスタント・スターチ」といわれます。 現在、この難消化性デンプンが、糖尿病や肥満、メタボリックシンドロームの人の食事療法に役立つと注目を浴びているのです。 この難消化性デンプンとは、どのようなものなのでしょう? 通常、口から入ったデンプンは胃から小腸に入り、小腸で分解・吸収されます。しかし、難消化性デンプンは、小腸で分解されません。吸収も抑えられます。 小腸で消化されなかった難消化性デンプンは、大腸に行き、大腸菌によって発酵されて一部が吸収され、残りは便として排出されます。 専門的なことは省きますが、デンプンにはいろいろな種類があり、化学的な構造も違います。その構造によって消化酵素の影響を受けにくく、分解されにくいものがあることがわかったのです。 血糖値をすぐに上げず、ゆっくりと上昇させる 消化のいいデンプンを食べると、砂糖をとったときと同じように血糖値はぽんとはね上がります。しかし、難消化性デンプンは血糖値をゆっくりと上昇させます。 糖尿病で膵臓からインスリンが出にくい人は、高血糖を引き起こさずにすむので、非常に適しているというわけです。 また、同じデンプンでも消化のいいデンプンより、この難消化性デンプンのほうが血糖を上げにくいので、お腹いっぱい食べられるというわけです。 ここまで読んで気づいた人もおられるかもしれませんが、難消化性デンプンは食物繊維と非常に似た働きを持っています。 食物繊維も小腸で分解・吸収されることなく、大腸に行き、便として排出されます。糖尿病の人は血糖値を上げにくいという理由から、食物繊維を多くとるようすすめられます。 多くのデンプン食品には、消化されやすいデンプンと難消化性デンプンの両方が含まれています。しかし、食品の選び方しだいで難消化性デンプンの割合を高めることができます。 ごはん(白米)とパンをくらべれば、難消化性デンプンはごはんのほうに多く含まれます。完全に精製した白米より、五分づきや七分づき米、玄米、雑穀米などのようにすべてを精製していないもののほうに、難消化性デンプンは多く含まれます。 パンも同様です。精製した小麦粉で作った白いパンより、ライ麦、玄米など、精製していない素材で作ったものを選ぶようにしましょう。見た目は黒っぽい食品のほうが難消化性デンプンは多く含まれるというわけです。 それは穀物の皮や胚芽の部分が残っているため。皮や胚芽の部分を精製して完全にとってしまうと、消化されやすいデンプンになるのです。同時に、糖尿病の人に必要な食物繊維やミネラルもなくなってしまいます。 主な麺類であるうどん、ラーメン、そばをくらべれば、いちばんおすすめはそばです。意外に思われるかもしれませんが、スパゲッティもおすすめです。 欧米の食生活は肉や魚などが中心で、パンやジャガイモなどのデンプンは少ししかとらない食形態です。それに対し、日本人は長年、米がメインとなる食生活をしてきました。 日本人は成人が1日に必要とするエネルギーは1500~2500キロカロリー。日本人はその50~60%を米からとってきました。米はパンにくらべれば、消化されにくいデンプンです。 米 を主食として多くとってきた以前の日本では、いまのように糖尿病やメタボリックシンドロームは多くありませんでした。近年、食生活の欧米化で消化のいいパ ンを主食に多くとるようになったことが、欧米と同様に糖尿病やメタボリックシンドロームを急増させた原因ではないかと思います。 難消化性デンプンの多い主食を選べば、糖尿病でも存分に食べられて、血糖値の上昇も抑えられることができます。ぜひ、試してみてください。 難消化性デンプンの多い食品の選び方  ごはん ○    パン ×    パンよりごはんのほうが消化・吸収されにくいのでおすすめ 日本そば ○   うどん、ラーメン × 日本そばは、消化・吸収されにくいそば粉を原料としているのでこちらのほうがおすすめ おすすめは雑穀ごはん    完全に精製した白米よりも、できるだけ精製していないお米がおすすめ。五分づきや米や玄米、雑穀などをまぜるのもおすすめ 白いパンよりも黒い色のパンを    精製した小麦粉で作ったパンは色が白くなる。ライ麦や雑穀など消化されにくい原料で作ったパンは黒っぽい色になる。パンを食べるときは黒っぽいものを選んで 消化されやすいデンプンをとるときは野菜を組み合わせる    外のレストランでは、難消化性のデンプンがない場合も多いでしょう。そのようなときは、野菜など食物繊維の多いものをいっしょに組み合わせてとれば、消化・吸収されにくくなる。うどんをとるときはけんちんうどんなどを選んで

ZOOM UP シルク・カイコ

ZOOM UP シルク・カイコ (健康産業新聞2007年1月17日) シルク・カイコ全体で20億円を堅持 抗 糖尿、降圧、肝機能改善、抗酸化、免疫増強、ダイエット、抗アレルギーなどさまざまな角度から有用性に関する研究が進められている「食べるシルク」。17 年前に食品素材として流通して以来、9年前に登場したカイコ健食を含めた市場規模は20億円前後に上回る。商品アイテムは健康食品をはじめ、製麺、豆腐、 菓子、調味料、清涼飲料水など多岐にわたり、化粧品や整髪料のほか、人工皮膚、人工血管など医療分野での導入も進んでいる。メタボリックシンドローム対策 の有望素材として、認知向上と市場拡大の機会をうかがう「食べるシルク」を検証する。 抗糖尿、美容分野で市場形成進む 「食 べるシルク」は、カイコ繭の絹糸を分解したタンパク質を主に利用する。養蚕の本家・中国では、古来よりカイコの繭を煎じた漢方処方があり、伝承的に糖尿病 への有用性が知られていた。国内では、東京農工大学教授の故・平林潔氏が、1988年に開かれた日本学術会議蚕糸学研究連絡セミナーで、「次のバイオ素材 は絹だ」と題する発表を行い、シルクの栄養学的な価値や医療分野への応用につて言及。製織工程で出る絹くずを副産物として使用するなど循環型資源としての 使用価値に加え、地域の養蚕業の活性化など社会的意義の大きい素材として注目を集めた。 食品用途での事業化に初めて着手したのは、絹織物の産地として知られる京都の加悦町で、90年に第三セクター・加悦総合振興㈱を設立。従来、繊維素材だったシルクの食品化事業が推進された。 1998年以降、「食べるシルク」は、テレビや雑誌などでたびたび取り上げられる素材となり、健康食品の商品開発の活発化。健康食品を中心に乳酸菌飲料、ヨーグルト、麺類、パン、豆腐、アイスクリーム、菓子などの用途拡大が進んだ。 シ ルクはフィブロン(絹繊維)とセリシンという2種類のタンパク質で構成される。「食べるシルク」に使用される原料は、絹糸を微粉砕した粉末や、加水分解も しくは酵素処理で低分子化した粉末があり、原料各社は食品用途に応じて供給している。このほか、ペプチドやアミノ酸、ゲル化物での流通もみられ、特にシル クペプチドは生理活性の高い素材として複数の企業が提案を進めている。 シルクは20種類のアミノ酸のうち、グルミタンとアスパラギン以外の18 種類を含み、必須アミノ酸をすべて含有しているのが特徴。組成別ではグリシン、アラニン、セリン、チロシンの割合が高い。機能面では、シルクパウダーと、 ペプチド・アミノ酸による2方向から研究が進められており、血中コレステロール低下、インスリン作用、アトピー性皮膚炎改善、肝機能改善、血圧低下作用な どが確認されている。また、吸収・保湿効果や肌荒れ改善、紫外線防御、枝毛保護などへの有用性も認められており、化粧品素材として定着している。 シ ルク原料の絹糸を吐き出すカイコは、抗糖尿素材の桑葉を餌にしており、糖の分解酵素の働きを阻害する有用成分としてDNJ(デオキシノジリマイシン)を含 む。国内ではボンビックス薬品㈱が98年、カイコを窒素ガスで酸化防止処理し、凍結乾燥させて粉末化した『ボスリン』を他社に先駆けて市場に投入。昨年は 約6億円を売り上げた。シルクとカイコ健食の市場規模は、原料供給量と各社の聞き取り調査から推計すると、ここ数年は20億円前後と安定している。 メタボ対策の有望素材として再評価も メタボ対策、新たな起爆剤へ シ ルクパウダーの原料サプライヤーは20社に上がり、原料流通量はここ数年、ほぼ横ばいで推移。原料価格は国産セリシンパウダーがキロ3~6万円、輸入物が 7.000~1万5.000円、国産フィブロインパウダーがキロ9.000円~1万1.000円、輸入物が7.000円~8.000円。また、カイコ粉末 はキロ1万2.000~1万5.000円で取引されている。 シルク健食はカプセル、錠剤、顆粒、パウダーなどの形態で流通しており、単味製品が 多い。複合品は桑葉、黒酢、コラーゲン、シジミ、ウコン、亜鉛など抗糖尿、美肌、肝機能強化、ダイエット素材との組み合わせが目立つ。販売ルートの9割は 通販。カイコ健食は粉末とエキスが中心で7割が通販、3割が薬系・食系ルートで流通している。 シルクとカイコは、長い低迷にあえぐ養蚕業の育 成・振興を目的に、農水省、民間企業、大学・研究機関など産官学共同によるプロジェクトが各地で進行している。2001年には絹、蚕、桑の多目的利用に関 する産官学の情報交流を行う第三者機関「絹蚕桑多目的利用協議会(KSS協議会)」が発足。現在28会員で組織され、開発の相互協力や自主規格基準の設定 など積極的な活動を展開している。「食べるシルクが業界や消費者に十分認知されているとはいえない」とする指摘が聞かれる中、シルク・カイコ素材の機能性 や活用の意義などを組織的に情報発信するための拠点として、同協議会の組織力の強化とリーダーシップを望む声は多い。 「シルク・カイコは、長期 的に生活習慣病予防やアンチエイジングに対応した素材として、ビジネスチャンスを広げる材料は揃っている」とする声は複数の原料メーカーから挙がってお り、市場を再活性化させる起爆剤として、メタボリックシンドローム対策に焦点を当てた機能性研究の進展や商品開発に注目が集まっている。 主要企業動向 シルクとカイコの原料サプライヤーは約20社。シルク原料は加水分解や酵素処理で低分子化した粉末タイプが主流で、ペプチドやアミノ酸、ゲル化した原料も 供給されている。カイコ原料は粉末がほとんど。末端製品は約9割が通販ルートで流通され、市場規模はここ数年、横ばいで推移している。シルクは抗糖尿、美 容、ダイエット対応、カイコは抗糖尿、性機能向上対応として提案する企業が多い。 ボンビックス薬品 ボンビックス薬品㈱(大阪市中央区)は、韓国政府が所有するカイコ粉末の特許に基づいて抽出した蚕粉末を使用したタブレットタイプの『ボスリン』を他社に 先駆けて1998年に発売。国内のカイコ健食でシェアトップを維持している。さらに2003年には、カイコ粉末をエキス化し、明日葉、桑葉、霊芝、杜中、 ドクダミ、月見草種子油など10種類の植物エキスを配合したソフトカプセルタイプの『ボスリンゴールド』を発売。両品とも通販と薬系・食系ルートで展開 し、前年比60%増と急伸している。また同社ではカイコ粉末を抗糖尿、ダイエット、性機能向上素材として原料供給する。カイコは天然飼料を用いて飼育し安 心・安全な原料供給に努めている。シルク粉末は韓国向け輸出がほとんどで、前年比10%増で推移している。 ドクターセラム ドクターセラム㈱(東京都渋谷区)は、カイコ由来のシルクを利用したダイエット食品『セラム-シルクフィブロイン』を販売する。東京農業大学助教授の長島 孝行氏と共同開発したもので、セリシンを除いた不純物を含まないシルクフィブロインタンパクのみを原料に使用。吸脂性多孔性(ナノレベル微細構造)を持 ち、体内の余分なコレステロール、脂肪を吸着し排出するのが大きな特徴。乳化した状態で体外排出するので、便秘改善も期待できる。バックデータでは昨年末 に、200人規模によるメタボリックシンドロームに対する臨床試験の結果を発表。中性脂肪値や血糖値、LDL、HDLなど、9項目の数値改善について有意 な結果が得られている。エステルートを中心に展開するほか、OEM供給も対応。形状はゼリータイプで1包み10g。防腐剤を一切使用しないレトルト包装で 顧客ごとに異なるオリジナルな味の提供が可能。「味無臭なので、錠剤から固体、液体、ゲル状など、幅広い形状に対応できる」としている。 一丸ファルコス 一丸ファルコス㈱(岐阜県本巣市)は健食用の粉末シルク原料『エディブルシルク』、化粧品用途の液体原料『シルクゲンGソルブル』など8タイプ以上のシル ク原料を扱う。健食用原料は、特許製法により、シルクプロテインをシルクペプチドにしたもの。活性酸素除去作用、免疫増強作用などを確認している。同社 は、セリシン、フィブロインそれぞれをラインアップし、多様なニーズに対応した原料を供給でき、ヒトでの多様なバックデータを有する点を訴求する。 キッスビー健全食 キッスビー健全食㈱(東京都三鷹市)は、絹エキスを使用した基礎化粧品シリーズ『絹夢物語』を販売する。天然桑で育ったカイコの繭の真綿のみを使用。人工飼料のカイコのものに比べ、セリシンを豊富に含む点が特徴である。 リバソン リ バソン㈱大阪市中央区)は、シルク純度70%規格の京都産のシルクパウダー原料『丹後シルクパウダーV』と純度100%の『丹後シルクパウダー100』の 2種類を供給する。消化・吸収性を高めるために、低分子化されている。グリシンやアラニンといったアミノ酸の比率が高いのが特徴。サプリメント、飲料のほ か、麺類、パン、ケーキなどにも利用されている。 オノジュウ ㈱オノジュウ(東京都大田区)は、カイコ粉末食品『シルクパウダー』を薬局・薬店で展開している。5齢3日のカイコを窒素ガスで酸化防止処理した後、冷凍乾燥し、粉末化したもの。1999年に発売以来、着実に顧客を増やし、リピート率も高いという。 ロード21  ロード21㈱(東京都立川市)は、国産シルクアミノ酸を原料に用いて、健康食品をはじめ一般食品、化粧品、動物用飼料など幅広い用途で展開する。健康食品は、単味成分での商品展開が中心。一般食品では漬物、ヨーグルト、麺類、パン、豆乳などの提案を進めている。 プロザテック (有)プロザテック(千葉県若葉市)は、シルクを酵素分解した『シルクペプチドM-500』と『シルクペプチドM-3000』、3μm以下の超微粉末原料『シルクパウダー(COSI)』を健康食品、ドリンク、化粧品用途などで展開している。 シルクパウダー原料、05年は微増へ (独)農畜産業振興機構によると、シルクパウダーの2004年国内販売量は前年比8.4%減の6万4.348㎏となった。05年計画では同1.3%増の6 万5.154㎏を見込む。タイプ別ではフィブロインパウダーのシェアが95%と他を圧倒しているが、セリシンパウダーも04年が同15.9%、05年計画 が12.6%と着実に増加している。食品用の需要量は、04年は同2.5%減の1万7.133㎏となったが、05年計画は同0.9%増を見込む。経口剤の シェアが高く、全体の約7割を占める。化粧品用は、04年は同16.7%減の2万5.805㎏となったが、05年計画では前年比0.4%増を見込む。ファ ンデーションが7割近くのシェアを占め、パウダー(16.3%)、口紅(5.2%)が続く。用途別では、ファンデーションは横ばいで推移したが、パウダー が同21.5%増と好調だった。 表1 シルクパウダーの国内需給動向(kg) 2004年 2005年  セリシン 2,227 2,507  フィブロイン 61,121 61,647  計 63,348 64,154 表2 フィブロインパウダーの分野・用途別の2005年国内販売状況 食 品 数量(kg) 構成比(%) 化粧品(整髪量含む) 数量(kg) 構成比(%)  経口剤 12,698 73.4 …

あなたのベストサプリメントvol.5

あなたのベストサプリメントvol.5  (2006年3月発行) 今、この素材に注目!! 蚕(カイコ)粉末 血糖値を調節するDNJと各種アミノ酸がたっぷり 糖尿病大国で利用されてきた 天然素材 桑の葉だけを食べて成長する蚕 (カイコ) 漢方の先進国である中国や韓国で、 古くから糖尿病に対する民間療法薬として用いられてきました。 そして、今や、蚕(カイコ)の健康作用が科学的に立証されたのです。 韓国国家プロジェクトが血糖降下作用を立証 お隣の国・韓国では、日本と同じように糖尿病患者が急増していました。 そこで、国家プロジェクトを立ち上げ、天然物質で血糖降下作用のあるものを探求し始めたのです。古医書に基づき、蚕の検証をスタートしたのは1992年(平成4)年のこと。 政府機関と大学の共同チームが、蚕(カイコ)粉末の成分分析や臨床検査を繰り返しました。そしてついに、1995(平成7)年、蚕(カイコ)粉末の血糖降下作用を正式に発表したのです。 「農振庁と慶煕大チーム世界初の天然治療薬 蚕(カイコ)を利用した糖尿病開発」 「蚕(カイコ)から血糖降下剤抽出に成功 高血圧など成人病に特効」 韓国の当時の新聞には、このような見出しが躍りました。 朗報はアメリカや日本でも話題となり、韓国政府は、蚕(カイコ)粉末は血糖降下剤として提出、日本でも特許を取得したのです。 ※写真:蚕(カイコ)粉末には、桑の葉に含まれる栄養素と、特有成分DNJがたっぷり! 強力な血糖降下作用は桑の葉特有成分DNJに では、どうして蚕(カイコ)粉末に血糖降下作用があるのでしょうか。 理由は、蚕(カイコ)が食べる桑の葉にあります。桑の葉には健康に有効な成分が驚くほど豊富に含まれている上に、特有成分DNJ(デオキシノジリマイシン)に血糖値を抑制する働きがあることも明らかになっています。 つまり、蚕(カイコ)は桑の葉だけを食べて成長するため、栄養素とDNJがたっぷり蓄積され、桑の葉をはるかに上まわる血糖降下作用を持つのです。 また、蚕(カイコ)粉末が食物と一緒に小腸に到達すると、糖分解酵素の一種であるα―グルコシダーゼの活性を抑制。糖の分解を防ぎ、血液での吸収を遅くすることによって、食後の高血糖を上手に調整してくれるというわけです。 そ もそも、蚕(カイコ)粉末には亜鉛やフラボノイド、ポルフェノール類のほか、アラニン、グリシン、ロイシン、セリンなど、18種類以上のアミノ酸が含まれ ています。そのため、血中コレステロールを除去して、血流を促進するなど、糖尿病による合併症をも未然に防ぐ役割を果たしてくれるといえそうなのです。 韓国の伝統的な知恵と、現代の科学技術によって生まれた蚕(カイコ)粉末。 純粋な天然物質なので、副作用の心配もありません。 糖尿病に悩む人々の間で、注目は高まる一方です。 蚕(カイコ)粉末の臨床データ 韓 国・慶煕大学付属病院で糖尿病患者に対して行われた臨床試験データ。インスリン非依存型患者を、「Aグループ=薬物治療中」と「Bグループ=非薬物治療」 の2組に分け、それぞれ蚕(カイコ)粉末を服用。4週間後には、どちらのグループにも血糖値降下作用が確認されました。 血糖値の変化(㎎/dl) Aグループ Bグループ (薬物治療中) (非薬物治療) 蚕粉末服用前の 空腹時 138.1 175.0 血糖値 食後2時間 244.7 272.4 蚕粉末服用 空腹時 127.9 158.0 4週間後の血糖値 食後2時間 197.2 208.6  

シルクとカイコ(蚕)の特集

シルクとカイコの特集 (健康産業新聞・2005年1月19日号から抜粋) 市場規模20億円、用途拡大進む 抗糖尿素材として、産官学共同研究の進展に期待 抗糖尿、肝機能改善、ダイエット、抗アレルギー素材として、さ まざまな角度から機能性研究が進められてきたシルクとカイコ。食べるシルクが食品素材として流通し始めたのは15年前で、7年前に登場したカイコ健食を含 めた市場規模は20億円前後に成長。商品アイテムは健康食品をはじめ、製麺、豆腐、菓子、調味料、ドリンクなどと多様化している。さらに、化粧品や医療分 野への進出も図られており、機能性成分を有効活用した用途拡大が進んでいる。一方、民間企業の調査によると、消費者の「食べるシルク」の認知度は14%に すぎず、主要各社は抗糖尿素材としての認知向上に向けた普及啓発と、消費者や業界関係者への効率的なPRを模索している。「食べるシルクとカイコ」をレ ポートする。 健食と化粧品が市場を牽引 養 蚕の本家・中国では、古来よりカイコの繭を煎じた漢方処方があり、伝承的にシルクが糖尿病に効くことが知られていた。日本ではシルクの食品用途への道を開 いたのは、東京農工大学教授の故・平林潔氏だ。同氏は、昭和63年に開かれた日本学術会議蚕糸学研究連絡セミナーで、「次のバイオ素材は絹だ」と題して発 表。シルクの栄養学的な価値に加え、人工皮膚や人工血管など医療分野への応用についても言及し、注目を集めた。食品用途での事業化に初めて着手したのは、 京都の加悦町で、平成2年に第三セクター・加悦総合振興㈱を設立。シルクパウダーの原料供給を開始した。 シルク原料の絹糸を吐き出すカイコ(幼 虫)は、抗糖尿の代表素材である桑の葉を餌にしており、糖の分解酵素の働きを阻害する有効成分としてDNJ(デオキシノジリマイシン)を含む。ボンビック スや薬品㈱は1998年、カイコを窒素ガスで酸加防止処理し、凍結乾燥させて粉末化した商品を他社に先駆けて発売した。原料となるカイコ粉末は韓国政府が 特許を所有しており、国内で製品化したもの。 1998年以降、“食べるシルクとカイコ”は、テレビや雑誌などでたびたび取り上げられる素材とな り、03年9月にはテレビ番組『スパスパ人間学』でシルクパウダーが紹介され、健康食品の需要が急増。現在、食品用途では、健康食品を中心に乳酸菌飲料、 麺類、パン、豆乳、アイスクリーム、菓子、漬物などにシルクが利用されている。健康食品はカプセル、錠剤、顆粒、パウダーなどの形態で流通されており、単 味製品が多い。複合品としては、黒酢、コラーゲン、シジミ、亜鉛、桑の葉など肝機能改善、美肌、ダイエット、性機能向上、抗糖尿素材との組み合わせが目立 つ。使用する原料は絹糸を微粉砕したものや、加水分解もしくは酵素処理を施したものが主流。価格帯は2.000円台から1万円台までと幅広く、9割近くが 無店舗販売ルートで流通している。 一方で、食品以外での商品開発も進み、化粧品、入浴剤、石鹸、人工皮膚、動物用飼料、農作物の肥培管理用肥料など用途は多岐にわたっている。 で は、、「食べるシルク」は消費者にどれだけ浸透しているのだろうか。絹糸から溶け出していたセリシンを抽出・精製する技術を持つセーレン㈱は、昨年3月に 「シルクとセリシンの認知」に関するインターネット調査結果を発表した。調査結果によると、食品の認知度は14%にすぎず、化粧品・シャンプーの27%を 13ポイントも下回っている。シルクの食品への道が開かれてから17年経った今でも、「食べるシルク」が十分認知されているとはいえず、各社は効率的な PRを模索している。 抗糖尿、肝機能改善素材として躍進 シルクはフィブロン(絹繊維)とセリシンという2種類のタンパク質で構成される。18種類のアミノ酸を含み、必須アミノ酸をすべて含有しているのが特徴 だ。組成別ではグリシン、アラニン、セリン、チロシンの割合が高い。機能面では、血中コレステロール低下、インスリン作用、抗アレルギー作用、肝機能改 善、血圧低下作用などが動物実験や臨床試験で確認されている。またセリシンは、保湿効果や紫外線を遮断する機能を有しており、化粧品やアパレル関連などで の利用が進んでいる。 表1 シルクパウダーの国内需給動向(kg) 2002年 2003年  セリシン 2,232 1,992  フィブロイン 69,068 68,350  計 71,300 70,272   表2 フィブロインパウダーの分野・用途別の2003年国内販売状況 食 品 数量(kg) 構成比(%) 化粧品(整髪量含む) 数量(kg) 構成比(%)  経口剤 12,529 71.3  パウダー 8,400 27.1  製麺 2,015 11.5  ファンデーション 18,000 58.1  豆腐 1,200 6.8  口紅 2,250 7.3  菓子 857 4.9  石鹸 493 1.6  調味料 240 1.4  ローション 939 3  ドリンク剤 214 1.2  その他 912 2.9  その他 515 2.9  計 30,994 100  計 17,570 100  整髪料 5,404 ー 出所:(独)農畜産業振興機構『シルク情報』 シルクペプチド、セリシンやフィブロインなどのシルクパウダーとカイコ 粉末を供給する原料サプライヤーは20社前後とみられる。(独)農畜産業振興機構によると、シルクパウダーの2003年国内販売量は前年比1.4%減の7 万272㎏となった(表1)。ファブロインパウダーのシェアが98%と圧倒しており、原料全体では国産物が87%を占める。用途別では、食品用が前年比 8.7%増の1万7.570㎏と順調に推移。化粧品用は同2.8%減の3万994㎏となった。食品の用途別構成比は健康食品が71.3%と最も高い。化粧 …

血糖値の急上昇を抑えつつインスリンの働きをよくする注目の糖尿病改善食品。日本でも劇的体験例が相次ぐ「蚕(カイコ)粉末」

血糖値の急上昇を抑えつつインスリンの働きをよくする注目の糖尿病改善食品。日本でも劇的体験例が相次ぐ「蚕(カイコ)粉末」 (さわやか元気2001年10月号) 韓国政府が日本で特許取得!臨床試験でも高血糖改善効果が認められた! 韓国農村振興庁研究所・農学博士 柳 江善 韓国の民間療法では万病の薬といわれた蚕 高価な絹糸を生み出す蚕は、韓国では神の虫、あるいは天の虫と呼ばれ、珍重されてきた。 この蚕(カイコ)に糖尿病を改善する働きがあるといったら、日本の方は驚かれるかもしれません。しかし、韓国では昔から万能の民間薬として蚕が用いられきた歴史があります。 中 国や日本と同様、韓国にも伝統的な東洋医学が存在します。李朝時代の一五九七年に著された薬学書『東医宝鑑』には、蚕(カイコ)そのものやサナギ、蚕蛾 (成虫)などの薬効が記されています。たとえば、蚕(カイコ)を炒めて粉にしたのは中風、半身不随、神経症などに効くといった記述があります。 さらに糖尿病との関わりでいうと、韓国で昔から行われている民間療法のなかに、蚕(カイコ)関連の素材を用いた方法がいくつか伝えられています。いずれも糖尿病の渇症を抑える処方ででが、それは次のようなものです。 ・ 蚕(カイコ)のサナギを煮て、その煮汁を飲む。 ・ 蚕(カイコ)の繭21個を煮て、その煮汁を飲む。 ・ 蚕紗(蚕の糞)を炒めて粉にし、一日三回、7.5gずつ服用する。 こ うした民間療法に根拠があるのかどうか、蚕(カイコ)関連産物の効能を科学的に検証するため、1992年に韓国政府は、農村振興庁研究所と慶熙大学の共同 研究チームを発足させました。なかでも、最も、重点的に研究されたテーマは、血糖降下作用の確定です。経験的に伝えられてきた糖尿病への薬効に、科学的の メスが入れられたのです。 臨床試験で確認された蚕(カイコ)粉末の血糖降下作用 韓 国でも日本と同じように、社会文明の急速な発展にともない、糖尿病患者が急増しています。その背景には、過剰な栄養摂取、運動不足、ストレスなどがあげら れるでしょう。現在、糖尿病を完治させる医薬品は、残念ながら存在しません。血糖をコントロールするインスリン注射をはじめ、何種類かの血糖調節薬は医療 現場で用いられているものの、低血糖や肝機能障害といった副作用が現われることもあり、安全かつ十分な効果があるとはいえません。 そこで韓国政府は、体に負担をかけずに糖尿病を改善する天然の生理活性物質の究明に乗り出しました。その筆頭にあげられたのが、蚕(カイコ)関連産物だったのです。 さまざまな実験の結果、確かに蚕(カイコ)関連産物に、血糖を下げる働きがあることがわかりました。しかし、蚕(カイコ)の成長段階により、効果はかなり異なります。 ひとくちに蚕(カイコ)関連物産といっても、卵→幼虫→サナギ→成虫など、さまざまです。試行錯誤の末、幼虫の脱皮を四回行って一番大きくなった「五齢蚕(カイコ)」を冷凍乾燥し、粉末にしたものが、最も血糖降下作用にすぐれていることが判明したのです。 そこで、この五齢蚕(カイコ)の蚕(カイコ)粉末を用いた臨床試験を、慶熙大学医学部付属病院で行ったところ、すばらしい効果が認められました。 臨 床試験は、インスリン非依存型の糖尿病患者のうち、薬を服用している患者(16名)をAグループ、食事・運動療法を行っている患者(7名)をBグループに 分けて行いました。そして、いずれも蚕(カイコ)粉末を一回50mgずつ、一日三回投与し、試験前と試験開始四週間後の血糖値を比較しました。その結果、 A・Bグループとも、空腹時と食後二時間の血糖値がいずれも降下しました(次ページの表を参照)。食後二時間の血糖値が低く抑えられているので、インスリ ンがゆるやかに分泌されていると考えられ、空腹時の低血糖の心配をする必要はないでしょう。 韓国政府は、この成果をもって国際的な特許の取得に 乗り出しました。そして日本でも、1998年3月に「蚕(カイコ)粉末を有効成分として含む血糖降下剤およびその製造方法」という名称で正式に特許登録さ れました(特許権は韓国政府が保有)。現在、日本では韓国政府研究所と提携した薬品会社が、医薬品ではなく健康食品という形で販売しています。 ●糖尿患者の血糖値変化       (単価はmg/dl) 蚕粉末服用前 蚕粉末服用4週間後 空腹時 食後 2時間 空腹時 食後 2時間 Aグループ 138 245 128 197 Bグループ 175 272 158 209 濃縮された桑の成分が血糖値の上昇を抑える 蚕 (カイコ)粉末は、どのようなメカニズムで高血糖を改善するのでしょうか?私たちが食べたご飯や麺などの炭水化物(糖質)は、小腸で糖に分解され、血液に 吸収されます。これにより、食後は血糖値が急上昇するのです。これに対し、蚕(カイコ)粉末は炭水化物を糖に分解する酵素(αグルコシダーゼ)の活性を抑 える働きがあるため、食後の血糖値の上昇がゆるやかになります。これによりインスリンの分泌量も少なくてすみ、膵臓の負担も軽減されるのです。 この働きはDNJ(デオキシノジリマイシン)という物質によるものです。もともとは桑の葉に含まれる有効成分ですが、蚕は桑の葉だけを食べるので、蚕の体内に蓄積され、桑の葉をはるかに上回る血糖降下作用を発揮します。 ま た、蚕(カイコ)粉末には「インスリン抵抗性」を改善する働きもあります。インスリン抵抗性とは、インスリンは分泌されているのに、効きが悪くなっている ことで、糖尿病患者にはこうした傾向がみられます。しかし、蚕(カイコ)粉末を長期にわたって摂取すると、このインスリン抵抗性が緩和され、インスリンの 効きがとくなると考えられます。 さらに、蚕(カイコ)粉末には一八種類以上のアミノ酸が含まれています。その中のグリシンやチロシン、セリンといったアミノ酸は、血中コレステロールを低下させて血流を改善する働きがあります。これにより血行障害など、糖尿病の合併症を未然に防ぐことができます。 な お、原料となる蚕(カイコ)の飼育は、非常に清潔な環境が求められます。騒音やホコリはもちろん、エサになる桑の葉に農薬が残留していたり、病原菌に侵さ れると、蚕(カイコ)はすぐに死んでしまいます。逆にいえば、蚕(カイコ)粉末はそれほど有害物質を含まない純粋な天然成分であり、副作用の心配もないと いえます。ちなみに、韓国科学研究所が行った食品検査でも、毒性が皆無と判定されましたし、摂取量を増減して行った臨床試験でも、低血糖などの副作用は報 告されていません。 医薬品ではないので、血糖降下剤などの薬を飲んでいる方やインスリン注射を打っている方でも併用することができます。ただし、蚕(カイコ)粉末は食後の血糖値の上昇を抑えるので、自分の血糖値をこまめに測りながら、薬の服用量を調節するようにするべきでしょう。 韓国の伝統的な知恵と現代の科学技術によって生まれた蚕(カイコ)粉末が糖尿病で苦しむ方々に貢献できることを願ってやみません。 現代社会において「医食同源」を実現する画期的食品 インスリンの分泌量を減らし疲弊した膵臓を蘇らせる「蚕(カイコ)粉末」 糖 尿病は生活習慣病といわれるように、薬で治すことができる病気ではありません。「患者自身が主治医だ」という自覚をもって、生活習慣全般の改善につとめな ければなりません。といっても、あまり難しく考える必要はありません。今までの間違った食生活を改善し、必要なものだけ食べるという基本的なことから始め ればよいのです。 むしろ大切なのは心身のバランスです。「糖尿病だからあれもだめ、これもだめ」と考えると、それがストレスとなり、病気の悪化にもつながりかねません。そうではなく、「糖尿病だけど、これもできる、あれもできる」という前向きさ、プラス思考が大切です。 しかし、糖尿病治療で一般に指導される食事制限は、「これは食べてはいけない、あれも食べてはいけない」というマイナス思考に偏りすぎていると思います。これでは、患者はストレスがたまる一方であり、継続できないのも無理はないでしょう。 私はむしろこのように考えます。よく食事制限といいますが、制限しなければならないものは一切ないのです。体に必要なものは食べなければならないし、何でも食べてよいのです。問題なのは、過食や偏食で、今まで摂りすぎていたものを控えることなのです。 「医 食同源」という言葉があるように、人間の健康は身近な食べ物の力で癒されるのが、本来の自然な姿です。糖尿病の食事療法も、この基本に立ち戻って考える必 要があります。しかし、環境汚染、食品添加物、ストレスなどに侵された現代社会においては、それなりに知恵を絞る必要があります。蚕(カイコ)粉末のよう な天然の素材から作られた健康食品の利用は、こうした知恵の一つといえるでしょう。 蚕(カイコ)粉末の特徴の一つは、小腸から吸収した糖がゆるやかにしか血糖に変化しないことです。これによって食後の血糖値の急上昇が抑制されるため、インスリンの分泌量も少なくてすむでしょう。 これに対し、抗糖尿薬のなかには、膵臓を刺激して、インスリンを無理に分泌させようとするタイプの薬があります。これでは痩せ馬に鞭を打つようなもので、膵臓はどんどん疲弊していきます。 蚕(カイコ)粉末を用いることにより、インスリンの分泌量が減れば、膵臓の負担も軽減されます。それによって、膵臓の機能も正常な状態に近づいていくと考えられます。 最近では、蚕(カイコ)粉末と同様の作用をもつ抗糖尿病薬も開発されており、蚕(カイコ)粉末の利用は現代的な治療の方向にも沿っているといえます。 し かし、医薬品には低血糖をはじめ、副作用の危険性が常にともないます。ところが、蚕(カイコ)粉末に関しては、急激な血糖上昇をゆるやかにするだけなの で、摂取量に関われず、副作用は一切報告されていません。天然の素材からのみ作られている蚕(カイコ)粉末は、あくまで「食品」として位置づけられるもの ですから、おそらく、医薬品のように体内の糖代謝を不自然に阻害することはないでしょう。 「主治医は自分自身」ということを忘れず、食事療法や運動療法に取り組んでいる方が用いるなら、蚕(カイコ)粉末は力強いサポートをしてくれるに違いありません。 蚕(カイコ)粉末で300近かった血糖値が140台に、高血圧も改善した! 体験談                徳島県三好郡 田中祐吉さん 70歳 一 昨年の秋、健康診断で糖尿病の疑いがあるといわれ、再検査を受けると血糖値が292もありました。糖尿病のついては多少知識がありましたから、医者が食事 療法の指導をしてくれると思っていました。ところが、その医者は、薬をくれるだけで、食事療法は自分で本を買って勉強するようにといわれたのです。 それならばと、本屋に行き、糖尿病のコーナーを見ていると、その中に蚕(カイコ)粉末が糖尿病によいと書かれた本がありました。 興味深かったので、その本を買って読んだところ、自分でも飲んでみたくなりました。 さっそく蚕(カイコ)粉末を飲みやすい粒に加工した『ボスリン』という製品を取り寄せ、一回に三粒、朝昼晩の食後に飲むようにしました。しかし、最初の3ヶ月はあまり効果が感じられませんでした。 しかし、4ヶ月目に入ると、徐々に血糖値が下がってきました。ずっと200を超えていた血糖値も、ようやく200を切り、その後も順調に下がっていきました。そして、140台で落ち着いてきた頃、医者から、もう薬は飲まなくてもよいだろうといわれました。 と いっても、薬をやめるとまた上がるかもしれません。そこで、試しに1ヶ月だけ薬をやめて、1ヶ月後にまた血糖値を調べところ、血糖値は140台のままでし た。薬をもらう必要がなくなったので、その医者に通うのはやめてしまいました。しかし、蚕(カイコ)粉末だけは休まず続けました。 今年の5月、公立の総合病院で血液検査を受ける機会がありましたが、そこの医者からは、境界型の糖尿病だといわれました。血糖値は140台ですから、薬をやめてからも、ずっと安定していたことになります。 …

糖分の吸収を抑える「血糖値の改善確認」

糖分の吸収を抑える「血糖値の改善確認」 (2000年8月12日毎日新聞記事) 桑 の葉といえば、カイコのえさだが、人間の糖尿病の予防にも効果があることが、最近の研究で分かってきた。腸内で糖分の吸収を抑えるという。この桑の威力に 着目し、桑の葉のお茶や桑の葉の入ったパンなどを作って売る町おこし運動が登場。医療機関でも糖尿病予防に用いるところが出てきた。【小島-正美】 桑の根、葉は昔から利尿、せき止めなどの漢方薬として用いられ、.養蚕地帯では桑の葉をせんじて飲む習慣があったというが、詳しい薬理効果が分かってきたのは最近のことだ。 ◆ラットで実験  神 奈川県衛生研究所・食品薬品部長の佐藤修二さんや専門研究員の宮原智江子さんは、遺伝的に糖尿病が発症するラットを使って桑の効果を調べた。えさに桑の粉 末を加えないラットは予想通り、空腹時の血糖値が1デシリットル当たり400ミリグラムになるなど糖尿病にかかった。これに対し、えさにそれぞれ2・5 %と5%の桑の葉の粉末を混ぜた2グループの血糖値はあまり上がらず、同200ミリグラムぐらいを保った。また、桑の葉を食べないラットは、血糖値を下げ るインスリンの分泌が悪かったのに対し、桑の葉を食べたラットではインスリンの分泌が良かった。、さらに、桑の葉エキスを与えたラットは、過剰な砂糖を与 えたにもかかわらず、肝臓への中性脂肪の蓄積が抑えられ、脂肪肝を予防する効果が見られた。砂糖やでんぷんは腸内で、α(アルファ)-グルコシダーゼとい う酵素によって単糖類に分解され吸収される。桑の葉に含まれる成分(1ーデオキシノジリマイシン)は、.この酵素の一働きを邪魔して、糖の吸収を抑えると いわれている。 ◆各種ハーブと比較 国 内の糖尿病患者は現在約700万人。病状が進んで失明する人が年間約3000人もいる。玉川大学農学部講師の八並一寿さんは、糖尿病を減らすために.「桑 の葉をもっと活用すべきだ」と力説する。、八並さんが、桑の葉茶とほかの各種ハープとで、糖の吸収抑制につながる「酵素(αーグルコシターゼ)の阻害活 性」を比べたところ、桑の葉茶が際立って高かった。αーグルコシターゼの働きを邪魔する市販薬、も売られているが、桑の葉茶にも同様の効果があるわけだ。 八並さんは「糖尿病の人でも、食事前や食事中に桑の葉茶を飲めば、糖分の吸収を抑えることができる」と話す。いちいち桑の葉茶をせんじて飲まなくてもよい ように八並さんは桑の葉のエキスとプロポリス(蜂の巣から抽出した健康食品)を混ぜた「クワポリス」.を開発。これを東京都渋谷区の渋谷三丁目クリニック (豊嶋穆院長)で糖尿病の患者十数人に飲んでもらっているが、2ヵ月闇続けて飲んだ68歳の女性のケースでは、空腹時の血糖値が400から150~160 に下がるなど著しい効果が見られたという。 ◆”桑茶〃やパンで町おこし う どん、ビールにもこうした〃実績”を踏まえ、桑の生産者が比較的残っている神奈川県相模原市では今年5月、14農家や企業家が参加して「さがみ桑茶連絡協 議会」(事務局は相模原産業振興財団=-TEL042・768・266O)を結成。桑の葉だけのお茶を「さがみの桑茶」(値段は180グラム袋で20OO 円など)の名で売り出した。桑の葉の粉末を詰めたカプセルも販売している。また相模原市内では、桑茶以外にも、桑の葉の粉末を混ぜたパンやうどん、桑の葉 抽出エキスを加えたビ-ルが試作されている。いわば「桑による町おこし運動」で、他県の桑の産地にも波及しそうだ。

さわやか元気2000年4月号

韓国政府が糖尿病治療への薬効解明を支援! 食後血糖値の急上昇を抑え、インスリンの働きを促進。高血糖改善に有効率90%以上と期待される「蚕(かいこ)粉末」 「さわやか元気」(成美堂出版・2000年4月号掲載) 韓国政府の指導のもと高血糖改善作用を検証 桑の葉だけを食べて成長し、シルク(絹)を吐き出す「蚕(かいこ)」は、韓国で は神の虫・天の虫とも呼ばれていました。高価な絹糸を生み出すだけでなく、万能の民間薬として珍重されてきたのです。1597年に韓国で書かれた「東医宝 鑑」には、蚕(かいこ)そのものやサナギ、蚕蛾(成虫)などの薬効が多く記されています(腫れものや切り傷を治す、脳溢血後のマヒ、神経症、精力減退を解 消するなど)。 こうした蚕(かいこ)の効能を検証するため、韓国政府は1992年に、農村振興庁研究所とキョンフィ大学との共同研究チームを発足 させました。最重点を置かれた研究テーマは、蚕関連産物による血糖降下作用の確定です。経験的に知られてきた、糖尿病に対する蚕(かいこ)の薬効に、科学 のメスが入ったわけです。 韓国でも日本と同様、社会文明の急速な発展に伴って、過食・運動不足・ストレスの蔓延から、糖尿病患者が年々増大してい ます。糖尿病とはすなわち、血液中にブドウ糖(血糖)が多くあふれている、慢性的な高血糖状態のこと。毛細血管や神経の障害から、数々の深刻な合併症(動 脈硬化、糖尿病性白内障、腎症、手足の壊疽など)が引き起こされることはご存知のとおりです。 問題は、糖尿病を完治させる特効薬は、現時点ではな いということ。血糖を処理するインスリン注射など種々の血糖調節薬は、医療現場で活用されてはいます。しかし、効き方にバラつきがあったり、副作用(低血 糖や肝機能障害など)が生じるなど、安全かつに乗り出したのです。伝承民間薬である神の虫・蚕が、当然その筆頭として注目されました。そして結論からいえ ば、数多くの動物実験と臨床試験から確認された蚕(かいこ)の血糖降下作用は、期待以上のものだったのです。 ※ 写真:柳江善先生 食後血糖値の急上昇を防ぎ、膵臓の負担軽減 ひとくちに蚕(かいこ)関連産物といっても、卵、幼虫、サナギ、成虫などさまざ まにあります。試行錯誤の末、幼虫が脱皮を四回行って、一番大きい状態となった「5齢蚕」を冷凍乾燥で粉末にしたもの(以下、蚕(かいこ)粉末)に、すぐ れた血糖降下作用があることがわかりました。 実は、「糖尿病には5齢蚕の粉末を飲むといい」という民間療法はすでにあったのです。ただ、それは一 般に熱風で乾燥させたもので、この場合、蚕(かいこ)の消化液と血液(有効成分の酵素を含む)が黒く酸化して、不活性化してしまうのです(作用の効率が下 がる)。そこで新たに、蚕(かいこ)の酸化を防ぎつつ乾燥させる急速冷凍法が考案され、蚕(かいこ)粉末の血糖上昇抑制効果は格段にアップしたわけです。 蚕 (かいこ)粉末の働きを調べた動物実験と臨床試験については、別枠にまとめました。強調できるのは、糖尿病患者を対象とした臨床試験で、患者が病院の薬を 飲みながら蚕(かいこ)粉末を摂取して、血糖値が改善した点です。蚕(かいこ)粉末は純粋に天然の素材なので、医薬品と併用しても問題はないといえます。 その後、血糖値が下がれば、医薬品の量を減らすことも十分可能でしょう。 なお、この試験では四週目以後のデータはありませんが、追跡調査からみて、蚕(かいこ)粉末の有効率は90%以上と考えています。 では、蚕(かいこ)粉末はどのようなメカニズムにより、高血糖を改善させるのか。私たちが食事からとりいれた炭水化物(ご飯、麺、砂糖など)は主に小腸で「単糖類」に分解されて、血液内に吸収されます。その結果、食後の血糖値はグンと上昇するわけです。 一 方、蚕(かいこ)粉末は食物と一緒に小腸に到達すると、炭水化物を単糖類に分解する酵素(αグルコシダーゼ)の活性を抑制します。すなわち、糖の分解と血 液内への吸収が遅れて、食後血糖値の上昇はゆるやかになることに。インスリン(血液中の糖を細胞に届けるホルモン)を分泌する、膵臓の負担も軽減されるで しょう。少しずつ血液中に吸収される糖を、ゆっくり処理することができるからです。 もうひとつ、蚕(かいこ)粉末が細胞の「インスリン抵抗性」を改善する点も注目できるでしょう。このしくみは現在研究中ですが、簡単にいえば、細胞に対するインスリンの作用を正して、血糖値をすみやかに下げるということです。 ●データに現われた蚕(かいこ)粉末の高血糖改善作用 図1はラットを3グループに分け、普通のエサ、高炭水化物のエサ、高炭水化物の エサ+蚕(かいこ)粉末を与えて、血糖値の推移を観察したもの。高炭水化物のエサを与えたマウスは急激に血糖値が上昇し、4週間後には157に。普通のエ サのグループは94。しかし、高炭水化物+蚕(かいこ)粉末のグループは、4週間後で115とさほど血糖値は上がらなかった。そして10週間後には、普通 のエサのグループと変わらない血糖値に。蚕(かいこ)粉末が血糖値の急上昇を防ぎ、適正にとどめていく様子が観察された。 図2は糖尿病患者(薬物 治療中の患者16名=Aグループ、薬を服用していない患者7名=Bグループ)を対象とした試験の結果。蚕(かいこ)粉末を一回500mgずつ、一日三回投 与し、試験前と試験開始四週間後の血糖値を比較した。その結果、A・Bグループとも空腹時と食後二時間の血糖値が降下。数年間、食事・運動療法を行ってき た患者も、これほどの改善はみれなかった。注目されるのは食後血糖値が低く抑えられたことで、これは空腹時の低血糖を心配しなくてもよいことを現してい る。 図1●飼料別マウスの血糖値変化 図2●糖尿患者の血糖値変化(単位はmg/dl) 蚕粉末服用前 蚕粉末服用4週間後 空腹時 食後 2時間 空腹時 食後 2時間 Aグループ 138 245 128 197 Bグループ 175 272 158 209 低血糖などの副作用を起こさない天然成分 蚕(かいこ)粉末の有効成分では、まず糖分解を阻害する酵素があげられます。も ともと桑の葉が含んでいるアミノ酸も、当然豊富に含有しています。グリシン(血中コレステロール低下)、アラニン(肝機能保護)、ルシン(痴呆症予防)、 セリン(血中コレステロール低下)などで、桑の葉の含有量より2~4倍多いことも見逃せません。 なお、蚕(かいこ)の飼育では、非常に潔癖な環境 が求められるものです。騒音、ホコリはむろん、エサとなる桑の葉に農薬は残留していたり、病原菌に侵されると死んでしまいます。裏返せば、蚕(かいこ)粉 末は純粋な天然成分であり、化学薬品のような副作用の心配は無用でしょう。摂取量を増減して行った臨床試験でも、低血糖をはじめとした副作用は報告されま せんでした。 蚕(かいこ)が糖尿病改善にもたらす効果と安全性、適正な摂取量は、95年3月に正式に発表されました。「東亜日報」「韓国日報」な ど新聞各紙、KBS、MBCなどのテレビ局はこぞって報道しています。さらに韓国政府は、自国はもちろん、中国、日本で蚕(かいこ)粉末とその製造方法を 特許出願し、日本では98年に登録されました。韓国政府研究所と提携した日本の薬品会社によって、蚕(かいこ)粉末は健康食品という形ですでに流通してい ます。 私自身、蚕(かいこ)粉末が食後血糖の急上昇を抑える効果は、医薬品にも劣らないと実感しています。血液と血管の異常を改善することから、 糖尿病のみならず、高血圧、肝機能低下、心筋梗塞、脳梗塞の予防にも有望でしょう。幅広い病気予防効果をもつ蚕(かいこ)粉末への社会的関心は、一層高ま ると思われます。 無理のない血糖値コントロールに合理的 糖吸収を適度なペースに正して、体全体の機能を癒す「蚕(かいこ)粉末」 ※医学博士 松田育三さん談 糖尿病治療で一般に指導される極端の食事制限とは、マイナス思考に偏りすぎてる、と私は考えています。大切なのは、過食や偏食でとりすぎていた不要なものを控えることで、やみくもに食事量を減らすことではない。 実 際、患者の生活を考えれば、食べなければ気力・体力はわかず、空腹に耐えるストレスもつのります。これだは、継続できないのも無理からぬところでしょう。 糖尿病は、一朝一夕に改善できる病気ではありません。つまり、その養生法は心身に負担をかけず、長く実行できるものが望ましい。そこで選択肢のひとつとし てあげられるのが、健康食品の利用です。 「医食同源」というとおり、人間の健康は身近な食べものの力で癒されるのが、本来自然な姿であります。た だ、現代社会を取り巻く、いわば文明の害(環境汚染、添加物を含む食品、ストレスなど)から、心身のバランスを守るには、新たに人間は知恵を絞らなくては なりません。その知恵のひとつが、天然の食べものの薬効を凝縮して、機能を強調した食品、すなわち健康食品というわけです。 特に「蚕(かいこ)粉末」に関しては、韓国で発表された論文に目を通し、含有成分や作用のしくみを知るにつれ、無理のない血糖値のコントロールに合理的と感じました。 蚕(かいこ)粉末で強調できる作用は、小腸からの単糖類の吸収をゆっくりにすることです。血中に少しずつ糖が溶け込むことで、食後の血糖値の急上昇が抑制されるのです。インスリン(血糖を細胞に届けて処理するホルモン)を分泌する、膵臓の負担も軽減されるでしょう。 そ もそも、糖尿病患者の体とは、膵臓機能に限らず、すべてのサイクルが空回りしている状態と考えることができます。食べものから糖を大量に分解吸収しても、 細胞でうまく活用されずに、どんどん尿中の排出されてしまう。言葉は悪いですが、小腸、膵臓、肝臓等の機能が、いわば懸命にムダ働きをしているわけです。 その結果、長年の間に体に蓄積するダメージは決して軽視できません。人間の体の機能とは、まったく使わなければ衰えるものですが、100%の活動状態を強 いられても、早晩つぶれてしまうものなのです。 この空回り状態に歯止めをかける働きが、蚕(かいこ)粉末には期待できます。糖吸収のスピードを遅 らせて、いったんクッションを置くことで、糖代謝を体に適したペースに修正するわけです。これが糖尿病の養成に有効であるとともに、ひいてはすべての機能 を長持ちさせることにつながります。 実際、蚕(かいこ)粉末と同様の作用をもつ糖尿病治療の薬も開発されており、現代的な治療の方向にも沿ってい るといえます。ただ、糖尿病の薬物治療では、低血糖や肝障害などの副作用の危険がときに生じますが、蚕(かいこ)粉末に関しては摂取量に関わらずそうした 報告はされていません。天然の素材から薬効を凝縮した、あくまで「食品」として位置付けられるものであり、体内の糖代謝を不自然の阻害することはないと考 えられます。それだけに、糖尿病患者の日常の体調管理に役立つ、無理のない養生法として評価できるでしょう。 △体験談・蚕(かいこ)粉末で血糖値改善 腎移植後に急上昇した血糖値を蚕(かいこ)粉末が改善、職場復帰できた                       大阪府大阪市 浅野由行さん 32歳 …

「さわやか元気」(成美堂出版・2000年4月号掲載)

韓国政府が糖尿病治療への薬効解明を支援! 食後血糖値の急上昇を抑え、インスリンの働きを促進。高血糖改善に有効率90%以上と期待される「蚕(かいこ)粉末」 「さわやか元気」(成美堂出版・2000年4月号掲載) 韓国政府の指導のもと高血糖改善作用を検証 桑の葉だけを食べて成長し、シルク(絹)を吐き出す「蚕(かいこ)」は、韓国で は神の虫・天の虫とも呼ばれていました。高価な絹糸を生み出すだけでなく、万能の民間薬として珍重されてきたのです。1597年に韓国で書かれた「東医宝 鑑」には、蚕(かいこ)そのものやサナギ、蚕蛾(成虫)などの薬効が多く記されています(腫れものや切り傷を治す、脳溢血後のマヒ、神経症、精力減退を解 消するなど)。 こうした蚕(かいこ)の効能を検証するため、韓国政府は1992年に、農村振興庁研究所とキョンフィ大学との共同研究チームを発足 させました。最重点を置かれた研究テーマは、蚕関連産物による血糖降下作用の確定です。経験的に知られてきた、糖尿病に対する蚕(かいこ)の薬効に、科学 のメスが入ったわけです。 韓国でも日本と同様、社会文明の急速な発展に伴って、過食・運動不足・ストレスの蔓延から、糖尿病患者が年々増大してい ます。糖尿病とはすなわち、血液中にブドウ糖(血糖)が多くあふれている、慢性的な高血糖状態のこと。毛細血管や神経の障害から、数々の深刻な合併症(動 脈硬化、糖尿病性白内障、腎症、手足の壊疽など)が引き起こされることはご存知のとおりです。 問題は、糖尿病を完治させる特効薬は、現時点ではな いということ。血糖を処理するインスリン注射など種々の血糖調節薬は、医療現場で活用されてはいます。しかし、効き方にバラつきがあったり、副作用(低血 糖や肝機能障害など)が生じるなど、安全かつに乗り出したのです。伝承民間薬である神の虫・蚕が、当然その筆頭として注目されました。そして結論からいえ ば、数多くの動物実験と臨床試験から確認された蚕(かいこ)の血糖降下作用は、期待以上のものだったのです。 ※ 写真:柳江善先生 食後血糖値の急上昇を防ぎ、膵臓の負担軽減 ひとくちに蚕(かいこ)関連産物といっても、卵、幼虫、サナギ、成虫などさまざ まにあります。試行錯誤の末、幼虫が脱皮を四回行って、一番大きい状態となった「5齢蚕」を冷凍乾燥で粉末にしたもの(以下、蚕(かいこ)粉末)に、すぐ れた血糖降下作用があることがわかりました。 実は、「糖尿病には5齢蚕の粉末を飲むといい」という民間療法はすでにあったのです。ただ、それは一 般に熱風で乾燥させたもので、この場合、蚕(かいこ)の消化液と血液(有効成分の酵素を含む)が黒く酸化して、不活性化してしまうのです(作用の効率が下 がる)。そこで新たに、蚕(かいこ)の酸化を防ぎつつ乾燥させる急速冷凍法が考案され、蚕(かいこ)粉末の血糖上昇抑制効果は格段にアップしたわけです。 蚕 (かいこ)粉末の働きを調べた動物実験と臨床試験については、別枠にまとめました。強調できるのは、糖尿病患者を対象とした臨床試験で、患者が病院の薬を 飲みながら蚕(かいこ)粉末を摂取して、血糖値が改善した点です。蚕(かいこ)粉末は純粋に天然の素材なので、医薬品と併用しても問題はないといえます。 その後、血糖値が下がれば、医薬品の量を減らすことも十分可能でしょう。 なお、この試験では四週目以後のデータはありませんが、追跡調査からみて、蚕(かいこ)粉末の有効率は90%以上と考えています。 では、蚕(かいこ)粉末はどのようなメカニズムにより、高血糖を改善させるのか。私たちが食事からとりいれた炭水化物(ご飯、麺、砂糖など)は主に小腸で「単糖類」に分解されて、血液内に吸収されます。その結果、食後の血糖値はグンと上昇するわけです。 一 方、蚕(かいこ)粉末は食物と一緒に小腸に到達すると、炭水化物を単糖類に分解する酵素(αグルコシダーゼ)の活性を抑制します。すなわち、糖の分解と血 液内への吸収が遅れて、食後血糖値の上昇はゆるやかになることに。インスリン(血液中の糖を細胞に届けるホルモン)を分泌する、膵臓の負担も軽減されるで しょう。少しずつ血液中に吸収される糖を、ゆっくり処理することができるからです。 もうひとつ、蚕(かいこ)粉末が細胞の「インスリン抵抗性」を改善する点も注目できるでしょう。このしくみは現在研究中ですが、簡単にいえば、細胞に対するインスリンの作用を正して、血糖値をすみやかに下げるということです。 ●データに現われた蚕(かいこ)粉末の高血糖改善作用 図1はラットを3グループに分け、普通のエサ、高炭水化物のエサ、高炭水化物の エサ+蚕(かいこ)粉末を与えて、血糖値の推移を観察したもの。高炭水化物のエサを与えたマウスは急激に血糖値が上昇し、4週間後には157に。普通のエ サのグループは94。しかし、高炭水化物+蚕(かいこ)粉末のグループは、4週間後で115とさほど血糖値は上がらなかった。そして10週間後には、普通 のエサのグループと変わらない血糖値に。蚕(かいこ)粉末が血糖値の急上昇を防ぎ、適正にとどめていく様子が観察された。 図2は糖尿病患者(薬物 治療中の患者16名=Aグループ、薬を服用していない患者7名=Bグループ)を対象とした試験の結果。蚕(かいこ)粉末を一回500mgずつ、一日三回投 与し、試験前と試験開始四週間後の血糖値を比較した。その結果、A・Bグループとも空腹時と食後二時間の血糖値が降下。数年間、食事・運動療法を行ってき た患者も、これほどの改善はみれなかった。注目されるのは食後血糖値が低く抑えられたことで、これは空腹時の低血糖を心配しなくてもよいことを現してい る。 図1●飼料別マウスの血糖値変化 図2●糖尿患者の血糖値変化(単位はmg/dl) 蚕粉末服用前 蚕粉末服用4週間後 空腹時 食後 2時間 空腹時 食後 2時間 Aグループ 138 245 128 197 Bグループ 175 272 158 209 低血糖などの副作用を起こさない天然成分 蚕(かいこ)粉末の有効成分では、まず糖分解を阻害する酵素があげられます。も ともと桑の葉が含んでいるアミノ酸も、当然豊富に含有しています。グリシン(血中コレステロール低下)、アラニン(肝機能保護)、ルシン(痴呆症予防)、 セリン(血中コレステロール低下)などで、桑の葉の含有量より2~4倍多いことも見逃せません。 なお、蚕(かいこ)の飼育では、非常に潔癖な環境 が求められるものです。騒音、ホコリはむろん、エサとなる桑の葉に農薬は残留していたり、病原菌に侵されると死んでしまいます。裏返せば、蚕(かいこ)粉 末は純粋な天然成分であり、化学薬品のような副作用の心配は無用でしょう。摂取量を増減して行った臨床試験でも、低血糖をはじめとした副作用は報告されま せんでした。 蚕(かいこ)が糖尿病改善にもたらす効果と安全性、適正な摂取量は、95年3月に正式に発表されました。「東亜日報」「韓国日報」な ど新聞各紙、KBS、MBCなどのテレビ局はこぞって報道しています。さらに韓国政府は、自国はもちろん、中国、日本で蚕(かいこ)粉末とその製造方法を 特許出願し、日本では98年に登録されました。韓国政府研究所と提携した日本の薬品会社によって、蚕(かいこ)粉末は健康食品という形ですでに流通してい ます。 私自身、蚕(かいこ)粉末が食後血糖の急上昇を抑える効果は、医薬品にも劣らないと実感しています。血液と血管の異常を改善することから、 糖尿病のみならず、高血圧、肝機能低下、心筋梗塞、脳梗塞の予防にも有望でしょう。幅広い病気予防効果をもつ蚕(かいこ)粉末への社会的関心は、一層高ま ると思われます。 無理のない血糖値コントロールに合理的 糖吸収を適度なペースに正して、体全体の機能を癒す「蚕(かいこ)粉末」 ※医学博士 松田育三さん談 糖尿病治療で一般に指導される極端の食事制限とは、マイナス思考に偏りすぎてる、と私は考えています。大切なのは、過食や偏食でとりすぎていた不要なものを控えることで、やみくもに食事量を減らすことではない。 実 際、患者の生活を考えれば、食べなければ気力・体力はわかず、空腹に耐えるストレスもつのります。これだは、継続できないのも無理からぬところでしょう。 糖尿病は、一朝一夕に改善できる病気ではありません。つまり、その養生法は心身に負担をかけず、長く実行できるものが望ましい。そこで選択肢のひとつとし てあげられるのが、健康食品の利用です。 「医食同源」というとおり、人間の健康は身近な食べものの力で癒されるのが、本来自然な姿であります。た だ、現代社会を取り巻く、いわば文明の害(環境汚染、添加物を含む食品、ストレスなど)から、心身のバランスを守るには、新たに人間は知恵を絞らなくては なりません。その知恵のひとつが、天然の食べものの薬効を凝縮して、機能を強調した食品、すなわち健康食品というわけです。 特に「蚕(かいこ)粉末」に関しては、韓国で発表された論文に目を通し、含有成分や作用のしくみを知るにつれ、無理のない血糖値のコントロールに合理的と感じました。 蚕(かいこ)粉末で強調できる作用は、小腸からの単糖類の吸収をゆっくりにすることです。血中に少しずつ糖が溶け込むことで、食後の血糖値の急上昇が抑制されるのです。インスリン(血糖を細胞に届けて処理するホルモン)を分泌する、膵臓の負担も軽減されるでしょう。 そ もそも、糖尿病患者の体とは、膵臓機能に限らず、すべてのサイクルが空回りしている状態と考えることができます。食べものから糖を大量に分解吸収しても、 細胞でうまく活用されずに、どんどん尿中の排出されてしまう。言葉は悪いですが、小腸、膵臓、肝臓等の機能が、いわば懸命にムダ働きをしているわけです。 その結果、長年の間に体に蓄積するダメージは決して軽視できません。人間の体の機能とは、まったく使わなければ衰えるものですが、100%の活動状態を強 いられても、早晩つぶれてしまうものなのです。 この空回り状態に歯止めをかける働きが、蚕(かいこ)粉末には期待できます。糖吸収のスピードを遅 らせて、いったんクッションを置くことで、糖代謝を体に適したペースに修正するわけです。これが糖尿病の養成に有効であるとともに、ひいてはすべての機能 を長持ちさせることにつながります。 実際、蚕(かいこ)粉末と同様の作用をもつ糖尿病治療の薬も開発されており、現代的な治療の方向にも沿ってい るといえます。ただ、糖尿病の薬物治療では、低血糖や肝障害などの副作用の危険がときに生じますが、蚕(かいこ)粉末に関しては摂取量に関わらずそうした 報告はされていません。天然の素材から薬効を凝縮した、あくまで「食品」として位置付けられるものであり、体内の糖代謝を不自然の阻害することはないと考 えられます。それだけに、糖尿病患者の日常の体調管理に役立つ、無理のない養生法として評価できるでしょう。 △体験談・蚕(かいこ)粉末で血糖値改善 腎移植後に急上昇した血糖値を蚕(かいこ)粉末が改善、職場復帰できた                       大阪府大阪市 浅野由行さん 32歳 …

脚光浴びる桑葉、蚕(カイコ)、シルク

脚光浴びる桑葉、蚕(カイコ)、シルク (健康産業流通新聞・1999年11月11日号から抜粋) 今 春、桑葉の機能性がテレビで紹介されたとこを発端に桑葉商品の売上げが伸びている。桑葉のみに含まれるDNJ(1.-デオキシノジリマイシン)の糖吸収抑 制の機能性が脚光を浴びたからだ。その桑葉を唯一の食品源とする蚕(カイコ)にもDNJが豊富に含まれていることから商品開発が活発化、さらには廃棄され ていた絹を加工したシルクペピチドも健食に利用されており、三つの素材が相乗的に市場を形成するようになっている。そのなかでも5年程前に健食素材として 登場したシルクペプチドは、イメージの良さと目新しさから現在では主原料及びサブ原料として用いられるケースが多く、実績ある素材として定着しつつある。 また韓国からの輸入に頼っていた蚕(カイコ)粉末も、国内産の原料が流通しはじめ、桑葉もエキス原料を揃えるなど、商品化が進む環境は整えられている。こ の十、十一月だけでも、シルクペプチド、桑葉及びエキスを添加した商品が大手メーカー数社から上市され、市場の拡大基調がみられている。桑葉、蚕(カイ コ)、シルクにスポットをあててみた。 (中略) 生活習慣病対応で進む商品化 「蚕(カイコ)」 ㈱ オノジュウ(東京都新宿区)は「シルクパワー」(300㍉㌘×270錠・1万2000円)を今年二月に発売。全国3000件のオノジュウチェーンの薬局・ 薬店の他、健食ルートなどが主な販路。蚕(カイコ)粉末99%を使い、アラビアガムで錠剤化している。桑葉成分が含有される他、必須アミノ酸を含む18種 類のアミノ酸、カリウム、カルシウム、鉄、亜鉛などのミネラル、食物繊維などが豊富なのが特徴。医療機関のデータでは血糖値が200以上あった人が3ヶ 月~半年で正常値に近づくことが判明。チラシやPOPを配布し、研究会を開催するなどで啓発活動を展開。初年度2億円の売上げを見込む。 スノー デン㈱(東京都千代田区)は「グルコバランス」(300㍉㌘×270粒・1万5000円)を今年九月に発売。蚕(カイコ)粉末を主原料に、桑葉エキス、ニ ガウリエキス、ギムネマシルベスタエキス、プラセンタエキスなどを配合した。蚕(カイコ)粉末、桑葉エキスの機能に加え、ニガウリエキスには動脈硬化予 防・改善作用、ギムネマには糖吸収抑制作用、プラセンタには保湿・新陳代謝促進作用などがあることがわかっている。通販を主体に、OEM供給も行ってい く。 ボンビックス薬品㈱(大阪市中央区)は「ボスリン」(270錠・1万2000円)を昨年七月より自社通販、一部の薬局・薬店から販売。蚕 (カイコ)粉末を主原料に錠剤化した。売上げは、今年に入って、蚕(カイコ)粉末の有用性を説いた「さらば糖尿病」が上梓されたこともあって伸長、月間 2000本前後を販売している。顧客のフォローとして薬系ルートに三人のカウンセラーを置き、健康相談に応じている。今後、薬局・薬店の他、通販ルートな どの販路も拡大する意向。 一般食品・飲料へ利用拡大 「シルク」 全 国養蚕農業協同組合連合会・絹事業部(東京都千代田区)は全国農協組織、生協、デパート、JALなどが販路。シルクプロテインをベースに桑の葉、西洋人参 粉などを加えた「スーパーシルク」(250㍉㌘×350粒・3800円)や「シルクパウダー」(250㌘・3500円)があり、パウダーは月間200㌔㌘ を販売。食品用途で原料供給も行い、酸加水分解シルクを年間7㌧消費。 ㈱日鉱(愛知県丹羽郡)は今春“食べるシルク”3タイプを発売。アミノ酸 タイプは乳製品、無糖甘味料などが用途。オリゴペプチドタイプは栄養ドリンク、健食、化粧品向け。プロテインタイプは健食、化粧品向け。自社商品「食べる シルク」(150㌘・1万2000円)は直販主体に販売。PB商品の開発にも応じ、蚕(カイコ)原料も用意。 (有)プロザテック(千葉県千葉市)は酵素分解した「M-500」、加水分解した「M-300」、500をさらに改良した「M-3000」の3タイプを用意。健食の他、清涼飲料水、菓子などにも採用されており、企画開発も行う。 金 亀糸業㈱(東京都中央区)は昨年十一月「シルクロマン」(2㌘×30袋・7500円)を発売。国産繭を酵素分解したシルクパウダーに発酵乳酸カルシウム、 ショ糖エステルを配合、アミノ酸単体よりも腸管での吸収がいい。昨年八月の「第15回和漢医薬学会大会」では、国立大阪外大保健管理センター・梶本修身医 師らが、肝機能障害およびアトピー性皮膚炎に対する効果の臨床研究を発表。自社通販、薬局、健食ショップで販売。 ㈱ケニー(名古屋市港区)は今 年七月「ケニーのバイオシルク」(2.5㌘×30スティック・6800円)を発売。シルクパウダー、粉末発酵乳、オリゴ糖、有胞子性乳酸菌、ムコ多糖タン パク複合体、ビタミンCなどを配合。絹タンパクを加水分解しており様々な分子量のアミノ酸、ペプチド、プロテインを含有。高分子のシルクパウダーは消化吸 収されず糖や脂質と結合、発酵乳・有胞子性乳酸菌・オリゴ糖とともに整腸作用を発揮。分子量が200~300のものは約90%が吸収される。通販主体に販 売、七~十月の売上は約300万円。 ㈱島路(広島県福山市)は8年前に“絹の風シリーズ”として「シルクパウダー」(20㌘・2000円)を発売。食べる他、ファンデーションなどに加えて利用でき、健食ショップ、通販、生協などが販路。 盛 田㈱(名古屋市中区)は今年三月「シルク・ウォーター」(500㍉㍑・140円)を発売、東京農工大。名誉教授の平林潔氏、(社)日本絹業協会・ジャパン シルクセンターの協力で開発。天然水をベースに酵素分解したシルクペプチド、ビタミンC、コラーゲンを配合。ライチの後味と100㍉㍑16㌔㌍が売りで、 10代後半~25歳の女性がターゲット。 桑葉・DNJが糖吸収を抑制 桑葉は、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などの必須微量ミネラルや食物繊維、フラボノイドを豊富に含み、桑葉のみに含まれる1-デオキシノジリマイシン(DNJ)などとの相乗効果で様々な機能性を発揮する。 桑葉についての研究は神奈川県の研究機関が活発に行っている。神奈川県科学技術政策推進委員会・機能性食品共同研究プロジェクトチームは、桑葉の脂質低下、肥満抑制、発ガン抑制効果などを報告した。 同県衛生研究所は、糖分解酵素・α-グルコシダーゼを阻害することで、小腸からの糖吸収を強力に抑制する作用のあることや、コレステロール・中性脂肪の抑制作用、血糖値および血圧の正常化作用、インスリン分泌改善作用、肝機能改善作用などのあることを解明した。 また、同県がんセンターは、肝臓がんの抑制作用を確認、群馬県立医療短期大の下村教授らも桑葉による体重抑制作用を確認した。 韓国では血糖降下剤の蚕(カイコ)粉末 蚕(カイコ)は桑葉成分を体内に蓄積し、液状シルクを造成、必須アミノ酸を含む18種類のアミノ酸、カリウム、亜鉛、体内でビタミンAに転化されるカロチン、ビタミンE、カルシウム、鉄、食物繊維などを含んでいる。 こ の蚕(カイコ)については、韓国政府の農業振興庁研究所とキョンフィ大学が共同研究を行った。四~五齢のさなぎになる直前の段階まで成長した蚕(カイコ) を酸加防止処理した後、冷凍乾燥した粉末を使い、成分分析、有効成分の検索、基礎実験、臨床試験を実施。蚕(カイコ)粉末には血糖降下作用があり、そのメ カニズムは、蚕(カイコ)の食料である桑葉に糖の吸収を抑制し、血糖値を下げる成分が含まれており、蚕(カイコ)にはこの成分が効率よく生体に濃縮されて いることが判明した。 これらもデータによって、韓国内ではもちろん、日本においても昨年三月に「蚕(カイコ)粉末を有効成分として含む血糖降下剤及びその製造方法」の発明名称で正式に特許登録された。 新陳代謝を促進、シルクペプチド 食 べるシルクとして科学的研究に取り組んだのは、東京農工大・名誉教授の平林潔氏で、フィブロインというタンパク質でできたシルクのアミノ酸の機能性に着目 し、これを分解した水溶性シルクによるラットの実験で様々な機能性を証明した。フィブロインには18種類のアミノ酸が含まれ、グリシン、セリン、アラニ ン、チロシンで全体の86.7%を占め、他にロイシン、トリプトファンなど8種類の必須アミノ酸を含んでいる。最も多いグリシンは、体内に入った有害物質 を肝臓の中で排泄されやすい形に変える解毒作用があり、コレステロール低下作用、高血圧・動脈硬化の予防・改善作用、新陳代謝促進作用などがある。このグ リシンと相互変換するセリンによって、血中インスリン濃度が増加することも確認されている。 また、アラニンは、アルコールの代謝を促進し、悪酔いや二日酔いを予防、肝臓の負担を軽減する。さらに脳の神経伝達物質・ドーパミンの材料となるチロシンは、痴呆や神経障害の予防・回復に役立つ。 シ ルクの分子量は高分子で、そのままでは体内に吸収されないが、加水分解するとアミノ酸やオリゴペプチドの状態になり、腸壁からの吸収率は90~95%とな る。この加水分解したシルクを冷凍乾燥するとアミノ酸が約60%、オリゴペプチドが約40%というシルクパウダーが得られる。

特集 シルク&カイコ

特集 シルク&カイコ (健康産業新聞1999年10月21日) 新製品の投入相次ぐ「食べるシルク」 ユニーク素材「食べるカイコ(幼虫)」の登場で市場活性化 健康食品から一般食品まで幅広い用途で躍進中! 昨 年から今年にかけて、テレビや雑誌、新聞などによる報道ラッシュで、一躍脚光を浴びた「食べる絹(シルク)」。二日酔い防止やアトピー症状改善、抗糖尿 病、美容など、各メディアはさまざまなテーマで「食べる絹」を取り上げた。シルクが食品素材として流通し始めたのは約10年も前だが、「昨年から本格的に 動き始めた」「引き合いは大きい」とする企業が多く、なかには前年の売上げ実績を大きく上回る企業もある。また新製品の市場投入も相次いでいる。商品アイ テムもタブレットや顆粒状の健康食品から、ニアウォーター、アイスクリームまで多様化、百貨店や通販などで販売されている。さらに最近では、カイコ(幼 虫)やサナギそのものを加工した健康食品まで登場し話題を集めている。 肝機能改善、アトピー改善などヒト試験で実証 昭 和63年、東京農工大の平林教授により「次のバイオ素材は絹だ」と題する発表が行われ、食品としてのシルクが初めて紹介された。当時は、各新聞社に取り上 げられ大きな反響を呼んだという。平成2年には、国内有数の絹織物の産地である京都丹後地方の加悦町が設立した第3セクター、加悦総合振興(有)と平林教 授との共同研究により、シルクパウダーの商品化に成功し、従来繊維素材だったシルクの食品化事業が促進された。 シルクにはグリシン、アラニン、 セリン、チロシンなど18種類のアミノ酸が含まれており、グリシンとセリンは血中コレステロール濃度を低下させ、アラニンは肝機能を強化、チロシンは痴呆 症を予防する効果があるとされている。シルクの機能性については、これまで動物実験で肝機能改善、インシュリンの分泌促進などの生理活性が確認されてい る。さらに、昨年8月に開催された「第15回和漢医薬学会大会」では、シルクタンパク酵素分解物の肝機能改善効果がヒト試験で確認され、またアトピー症状 改善効果も認められている(29面参照)。 こうした学術報告は、健康雑誌や新聞などでも取り上げられ、機能性食品素材としてのシルクの認知拡大に貢献している。これを受けて、新しい企画の原料や新製品を市場投入する企業も多い。 シ ルクパウダーは、絹糸を分解して作られる(簡略図参照)。製品に使用される原料は、絹糸を微粉砕した粉末、酸加水分解もしくは酵素処理によって低分子化し た粉末があり、原料各社は飲料、乾燥物(タブレット等)など用途に応じて供給している。また、加工しやすいように吸湿性を低く抑えた原料などもある。 現 在、販売されているシルク健康食品のほとんどは、消化吸収性に優れている低分子化した原料を使用。各社の製品は、タブレットまたは顆顆タイプのものが多 く、一般食品形態のものでは、ニアウォーターやアイスクリーム、ヨーグルトのほか、うどんやそばなど幅広い。各製品の訴求点は、糖尿病や高血圧などの生活 習慣病予防、二日酔い防止のほか、化粧品素材としても知名度が高いため美容効果を訴求する製品もある。 桑の葉成分含むカイコ粉末が登場 一 方、最近ではカイコ(幼虫)そのものを加工した健康食品も登場している。原料となるカイコ粉末は、韓国政府が製法特許を所有しており、各社は韓国からこの 粉末を輸入、国内で加工し製品化している。カイコ粉末は、桑の葉に含まれるDNJ(デオキシノジリマイシン)などの有効成分を含有しており、抗糖尿病素材 として使用されるケースが多い。参入企業はまだ少ないものの、新聞、雑誌などに取り上げられ注目されている。また今年刊行された食用カイコ粉末に関する書 籍『さらば糖尿病』も数万部のセールスで、取り扱い書店も増加しているという。 シルクは「食べる絹」として紹介されてから、すでに10年以上を経ているが、各メディアの報道や学術報告などにより、再び市場が動き始めている。こうした動きは、「食べるカイコ」というユニークな素材が登場したことで相乗効果をもたらし、さらに加速していくとみられる。 製造方法簡略図 タブレットからニアウォーターまで用途開拓進む 製品市況 シ ルクを使用した製品は現在、タブレットや顆粒タイプの健康食品のはか、ニアウォーター、アイスクリームなどもある。各社販路は百貨店や通信販売、スーパー やコンビニなど。従来からシルク製品を扱う企業はリピーターに支えられ、安定的な売上げを確保。また今年に入り新製品投入も相次いでいる。 需要急増で、前年比20%増の伸長率 市場で流通する健康食品は、そのほとんどが酸加水分解もしくは酵素処理を施したシルクパウダーを使用。価格帯は、3.000円台から1万円を越えるものもある。従来からシルク製品を扱う企業では、「昨年から問い合わせが増えはじめた」としている。 約 7年前からシルク製品を販売する、全国養蚕農業協同組合連合会・絹事業部(東京都千代田区)では、食用シルクの販売事業が前年比120%と伸長している。 桑の葉、西洋人参を配合した健康食品『スーパーシルク』(350粒・3.800円)やシルク配合のアメ、うどんなどを農協、生協、デパートなどで展開、ま た食品用途で酸加水分解処理を施した原料の供給も行っている。シルクパウダーの年間消費量も約4.5トン(自社製品含む)に達しており、同社では今後も需 要が拡大するとみている。また同社ではアガリクス・ブラゼイとシルクをブレンドした健康食品を年内をめどに発売する。同時期に販売を開始している、シルク 化粧品の専門メーカー、㈱ナチュラル・アーバン(東京都品川区)では、タブレットタイプの『絹命100』(250mg×300粒・6.800円)を直販 ルート、代理店ルートで展開。同品に使用される原料は酸加水分解処理を施している。美容効果を訴求してあり、「ここ1~2年、動きが活発化している」とす る。 天然亜鉛とシルクをブレンド 昨年から今年夏ごろにかけて、各社から新製品が相次ぎ発売されたシルク市場。単味製品のほかに、混合品で相乗効果を提案するものもある。 金 亀糸業㈱(東京都中央区)は昨年11月から、顆顆タイプの『シルクロマン』(2g×60袋・1万5.000円)を自社通販で展開。酵素分解処理を施したシ ルクパウダーを使用した製品で、今年に入り販売数量が伸びている。今後、新規販路の開拓に注力する。今年7月に顆粒タイプの『バイオシルク』 (2.5g×30ステイック・6.800円)を発売した、㈱ケニー(愛知県名古屋市)は、通販および薬系ルートで展開している。同品は酸加水分解処理を施 したシルクパウダーを使用。同社では、二日酔いや肥満、美容に対応する商材として提案、「関連団体や各企業の取り組み次第では予想を上回る反響が出てくる のでは」と期待を寄せる。同じく今年参入組の㈱ベンファクト・コーポレーション(東京都港区)は、今年中旬に北欧ヒバマタとシルクを混合したタブレット 『絹亜鉛』(300mg×100粒・5.800円)を発売し、デパートを中心に展開。同品は亜鉛が豊富に含まれるヒバマタを配合することで相乗効果を狙っ ている。生活習慣病予防、美容促進を訴求し、初年度の販売目標は1万5.000箱を目指す。 一方、ペットボトル飲料を提案する企業もある。盛田 ㈱(愛知県名古屋市)は今年3月の『シルクウォーター』(500ml・140円)を発売、全国のスーパー、コンビニなどで展開している。天然水を使用し、 シルクのほかにビタミンCやコラーゲンを配合。同社では、OLや学生など若年層をターゲットに美容効果を訴求、テレビなど販促活動にも積極的だ。 桑の葉成分が凝縮する「食べるカイコ」 カイコ粉末 ここ最近、ユニークな新素材「食べるカイコ(幼虫)」が静かなブームを呼んでいる。これまではカイコが吐き出す絹糸に注目が集まっていたが、カイコそのものを加工した健康食品を糖尿病対応商材として提案する企業が出始めた。 カ イコは、桑の葉だけを食べる昆虫で、絹糸を吐き出す前の幼虫には、桑に葉の有効成分が凝縮されている。糖の分解酵素の働きを阻害するDNJ(デオキシノジ リマイシン)は桑の葉の有効成分のひとつだが、カイコにもこの成分が含まれている。このため、各社は抗糖尿病健康食品として販売している。使用される原料 は、絹糸を吐き出す直前のカイコを窒素ガスで酸化防止処理し、冷凍乾燥させて粉末化したもの。韓国政府がこの製造方法と工程の特許を所有するため、各社は 粉末を輸入し国内で製品化する。また同国政府では動物実験やヒト試験などで、同素材の血糖降下作用を確認している。 昨年7月に『ボスリン』 (290mg×270粒・1万2.000円)を発売したボンビックス薬品㈱(大阪市中央区)は、デパートや薬局・薬店、鍼灸整骨院などで展開している。現 在、韓国政府と提携し、幅広い臨床データを得るための臨床試験を準備中。また糖尿病や健康全般に関する無料相談など、啓蒙普及活動を通して販売促進につな げている。今後の市場について、「生活習慣病の改善に役立つことから、利用分野と利用者の幅はもっと広がる」と予測している。 ㈱オノジュウ(東 京都新宿区)は今年2月、カイコそのものを加工したタブレット『シルクパワー』(300mg×270粒・1万2.000円)を発売、薬局・薬店などで販売 している。同社では、発売後の反響が大きいことから健康食品店などへも販路を拡大し、OEM供給にも対応していく方針だ。また同社では糖尿病研究会(同社 主催)で、韓国から講師を招きカイコに関する勉強会なども行っている。 一方、他素材との混合品で差別化を図る、プラセンタエキスの専門メー カー、スノーデン㈱(東京都千代田区)は今月15日、『グルコバランス』(300mg×270粒・1万5.000円)を発売した。タブレットタイプで、カ イコ粉末をベースに、プラセンタエキスや桑の葉、ニガウリエキス、ギムネマエキスを配合、こられ糖尿病対応素材をブレンドすることで相乗効果を狙ってい る。OEMにも対応していく方針。同社では医療関係者に対しても同品の情報提供を行っており、「反響が大きい」としている。 原料では、㈱日鉱がカイコ粉末を扱っており、また国内では珍しいカイコのサナギ抽出物を濃度別にラインアップしている。 大手メーカーも機能研究進める 原料事情 シ ルク食品に主として使用される原料は、酵素分解または酸加水分解処理されたものがある。どちらも消化吸収性に優れており、要望に応じて、一般食品、健康食 品メーカーなどに供給している。ここ最近各社は、「問い合わせが増えている」としており、展示会への出展などで、自社原料を積極的にアピール、販売強化を 図る企業もある。また今年に入り、吸湿性を低く抑えるなどの改良を施した新規格原料も上市されている。 韓国でも需要が増加 シ ルクパウダーは、食品用途では10社近くの企業が供給しているとみられ、キリンビール㈱などの大手メーカーも参入している。またシルクパウダーの原料は、 国産もしくは中国産のものが多く、絹衣料にならない、くず繭やくず絹などが使用される。昨年から今年にかけ、原料の動きは活発化しており、各社の販売強化 へ向けた取り組みも目立つ。 コスモ食品㈱(東京都中央区)では用途に応じて2種類のシルクパウダーを供給している。原料はすべて国産のシルクを 使用、水溶性を高めている。『M-500』シリーズは酵素処理を施し、吸湿性を改良したことで、タブレットや顆粒など乾燥物製剤に適している。 『M-300』シリーズは酸加水分解したもので、乳飲料、飲料や海鮮珍味などへの添加に適している。同社では、昨年からシルク原料が動き始め、原料販売も 前年比10%以上の伸びを示すなど好調だ。原料調達から粉末化まですべての加工精製工程を自社生産ラインで管理している。また、同社の原料は、キリンビー ル㈱(東京都中央区)も取り扱っており、シルクの機能研究を進めている。㈱日鉱(愛知県丹羽郡)でも、加水分解および酵素分解法を用いたシルクパウダー2 種類を供給している。このほかにも、微粉砕した粉末やカイコ粉末、サナギ抽出物を扱っている。シルクパウダーは中国産原料を国内で精製したもので、加工法 による特性別に『アミノ酸タイプ』『オリゴペプチドタイプ』『プロテインタイプ』と分け、要望に応じて供給。国内では、『アミノ酸タイプ』の動きが活発 化、韓国向けでは『オリゴペプチドタイプ』が健食用途で需要が高いという。また末端製品『シルクパウダー100%』(200g・1万8.000円)も販売 している。 従来原料の難点を改良 一 方、平林教授とともにシルクの食品化を促進した立役者ともいえる、加悦総合振興㈲(京都府与謝郡)では、加水分解処理を施したシルクパウダーやペースト状 の原料を供給している。絹織物の産地として有名な京都丹後地方の加悦町が1989年に設立した第3セクターで、同社の原料を採用している企業は数多い。同 …

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