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平成25214

KSS協議会ニュース93

                                         絹・蚕・桑多目的利用協議会事務局

                                               有限会社 プロザテック内

                                〒264-0023 千葉市若葉区貝塚町1099-3

                                TEL043-234-2631FAX043-234-2632

  相変わらず連日の寒さが続いております。景気回復の兆しも芽生えてきている向きも少しずつでも期待したいとろであります。今回は年会費の徴収が遅れておりまして、あわせお願いもかねて発信をさせて頂きます。

 

連絡事項

 

1 年会費の徴収

   年会費振込み用紙を第91号(未納の方々には敢えてもう一度用紙を添付)で同封させて頂いて  

  おりますが、未納の方々には諸般の事情もありまた実情も踏まえてご一報を頂きたいと存知ます。

   本会は会員の方々の年会費によって運営されておりますので、未納の方々に置かれましては致

  しかたなく諸事情で遅れておられるのかと存知推察いたすものであります。本会においては自然

  消滅は回避してそれなりの理由を抱いて取組んでまいりたいと思慮します故、一つの区切りとして

  退会届なりも敢えて未納の方々に限って同封をさせて頂きます。よろしくお願い申し上げます。

 

 2  情報

   

社福協第28回健康食品フォ-ラム

「補完代替医療の側面から見た、健康食品の将来像」

―安全性を基本として― (H252013)年27日(木)/資料(153頁):事務局保管 

   主催:(一般財団)医療経済研究・社会保険福祉協会、後援:厚労省・消費者庁・農水省文科省

 

   (1)「ハ-ブをめぐる欧米及びISOの動向」  

    池田 秀子 (一般社法人 日本健康食品規格協会 副理事長)

   ハ-ブは喉の痛み、日常の軽微な症状を穏やかに改善してくれるものといったイメ-ジからもっと 

  切実な伝統療法は、開発途上国では約80%の人々の主要医療手段となっている。

   最近では代替相補医療の視点も加わりハ-ブの存在意義が益々高まっている。明確な有効性・

  安全性・品質の確保が求められそれら要求に対応した枠組みや制度づくりに力をそそいでいる。

   EUでは、2004年よりスタ-トして、201151日から本規則が実施された。これにより欧州市

  場から撤退を余儀なくされたハ-ブ製品も生じた。ISOのハ-ブ医薬品の国際標準化のきっかけと

  もなった。EUではフ-ドサプリメントの主要な素材として容認されてEFSA(欧州食品安全機関)によ

  るヘルスクレ-ムの評価に伴って、今後はハ-ブの安全性確保の要求がより高まると予想される。 

   一方米国では、ハ-ブは1994年のDSHEA(ダイエタリ-サプルメント、健康、教育法)でダイエタ

  リ-サプリメントの成分として位置付けられてきた。DSHEAは、有効性、安全性、品質について通常

  食品とは異なり、科学的アプロ-チを要求 しているが、安全性について新規サプリメント成分

  (NDI)ガイドライン案が公表され、品質ついては、サプリメントcGMP規則の施行などのために企業

  の対応は多忙になっている。米国においてもハ-ブOTC薬についての動きが見えるようになってき

   た。これら規制をより有効に利用することができるのか、欧米いずれも改めて多くの議論を呼ぶ事

   態に向いつつある。日本でも海外情況を参考 にしつつ、より良い制度化が望まれる。

 

  (2) 「医食同源の視点から健康食品の開発」

     吉川 雅之 (京都薬科大学  生薬学分野   教授 )

   中国伝統医学(中医学)や漢方医学で用いられる生薬の原典(神農本草経)には、最も重要な薬

  として食品性要素の多い生薬が数多く収載されて不老、延年、元気増進を目標とした方剤に繁用さ

  れてきた。中医学では病気予防が重視され、理想の医療とは、“病気にかってから薬で治療するの

  でなく、食物で病気にさせないこと“と考えられている。

   明時代の薬物書「本草綱目」(李 時珍 著)、インドのア-ユルヴェ-ダ医学の「チャラカサンヒタ

  -」や古代ギリシャの医師による「De Materia Medica(ギリシャ本草)」等には、食品と看做せる生薬

  が多数収載されている。これらの薬用食品には、合成医薬品のような切れ味の鋭く作用点や作用

  機作が単純化された薬効は少ないが副作用の心配がなくホメオスタシス(恒常性)を助長するよう 

  な疾病予防や健康維持、治癒促進や再発防止等に役立つ多面的で穏やかな癒し効果が期待され

  る。栽培作物の多くは、生薬に比べ安価で且大量入手が容易であり、品質も一定している等新たな

  機能性資源としても魅力に富んでいる。薬用食品に抗がん、抗潰瘍、肝保護、免疫増強等の薬効と

  活性成分を究明し、その一環でタラノメ(タラ、幼芽)やサトウダイコンのトリテルペンサポニン類、セ

  イジやア-テイチョ-クに含まれるジテルペンやセスキテルペン及びサラキア属植物のsalacinol

  neokotalanolの成分に糖やオリ-ブ油負荷後の血糖値及び中性脂質の上昇抑制作用の究明を明

  らかにした。Ⅰ型アレルギ-反応モデルのラット受身皮膚アナフィラキシ-(PCA)反応抑制効果やラット

  腹腔内肥満細胞からのhistamine遊離抑制活性を指標に菊花、クワイ、ケンポ  ナシ、モロヘイ

  ヤ、冬瓜、地膚子、三度豆等から活性成分としてフラボノイド、ジテルペン、ダンマラン、及びオレア

  ナン型トリテルペン、メガスチグマン配糖体、サポニン等を見出した。(1)茶花(島根県のポテポテ

  茶;食用)の抗肥満作用(chakasaponinⅡ)(2)蓮花(美白作用や抗糖尿病作用:nuciferine)(3)甘

  茶(発酵葉)抗糖尿病活性や抗アレルギ-活性を示すジヒドロイソクマリン類やスチルベン類(hydra

   ngenol)の構造活性相関や作用機序究明の解説を得た。

 

  (3)「臨床現場における健康食品の応用」

       鈴木 信孝 (金沢大学大学院 医薬保健総合研究科

                                 臨床研究開発補完代替医療学講座 特任教授)

    健康食品は、補完代替医療において最も重要な分野の一つである。すべての医療従事者は基

   礎的知識をもつことは勿論、治未病の観点から臨床現場に積極的に応用すべきである。

     ところが、「安全性は大丈夫か?」、「病院の薬と一緒に摂っても大丈夫か?」、「本当に効果が

   あるのか?」「有効成分が本当に入ってるのか?」、「同一成分を毎日摂取するだけでいいのか?

   」、「医療現場が期待している食品の機能性とは何か?」、「医療従事従事者への健康食品の情

   報伝達はどうすればいいのか?」、「健康食品を臨床現場に応用するのは医者だけか?」、「消費

   者は素材の情報をいかに得ればいいのか?」このような多くの問題が指摘されている。

   臨床現場からみた健康食品を食品の研究開発からマ-ケテイングまでを新しい観点から考えて

  みる。医療従事者は、健康食品に疾病の治療効果を期待していることは少ない。治未病を重視して

  いることが多い。各疾患や病状のQOLを向上させる作用を期待しているとの声も多く聞かれる。

  QOLとは、生活の質、生命の質、人生の価値観を意味し、現代西洋医学の尤も苦手とするところで

  ある。QOLの具体的な質問項目は、より患者が身近に感じる言葉で表現されることが望ましい。

   過去10年間、他に類を見ないほど産学連携品が誕生した。その費やされた研究費に見合った売

  上げに繋がっていないケ-スも多々あり大きな問題になっている。「大学発ベンチャ-1000社計画」

   等経済産業省が振興しようとしているこれらベンチャ-企業が経営的な苦境に陥っていることも良く

   知られた事実である。地域における打開策の一つとして「情報伝達不足」の解消を目論んで産学連

   携電子図書館方式が試みられている。

 

  (4)「漢方薬の作用メカニズムと健康食品開発への応用」

      山田 陽城(ハルキ) 北里大学 北里生命科学研究所、 大学院 感染制御科学府 教授

    新薬による治療が適応しにくい患者への対応、体質改善等を目的に現代医療で重要な役

   割を果たしている。予防医学への積極的な応用も期待される。

    1.漢方医学と漢方薬の特徴

 葛根湯、小青竜湯、柴胡桂枝湯、八味地黄丸、当帰芍薬散のよう名づけられている。漢方薬は、伝統的には、煎じ薬、丸剤、散剤、軟膏剤等として用いられる。煎じエキスより主に顆粒、細粒の医療用漢方製剤が開発され、軟膏を含む148種類の製剤が薬価収載されている。西洋医学では病気を対象とし、病名診断に基づき治療戦略が提示される。漢方医学では患者の全身状態の症候を「証」として捉え、これに対応できる漢方薬が治療のために選択される。他に生体の抗病反応に伴う病気の進行段階や生体の状態を気・血・水から捉え、患者の病態に適した漢方薬が選択される。西洋薬は主に単一な化合物が生体側の標的に特異的に作用するのに対し、複数の生薬を配合した処方として用いられる漢方薬は、多成分系の化合物群が成分間の相互作用も介して生体側の複数の異なる作用点に働く。漢方薬は神経系、免疫系、内分泌系の相互関連の生体システムの異常により生じた病態を修復する特徴も有する。

2.漢方薬の薬効に対するエビデンスの構築と健康食品開発への応用

    最近のトピックスとして、大建中湯の開腹手術後の腸閉塞の予防作用、香蘇散の抗鬱作用、

   牛車腎気丸による糖尿病の合併症としての神経障害の改善をはじめ、プロバイオテイクスとし

    ての発酵乳(ヨ-グルト)のインフルエンザウイルス感染予防への応用、漢方薬による腸管免

   疫調節作用、十全大補湯による抗がん剤や放射線治療の副作用としての骨髄機能抑制の軽

   減を介したQOL改善と活性成分のリノレン酸による骨髄幹細胞増加作用等、心身一如としての 

    「心の変調」と「体の変調」は相互に影響しあうもとして捕らえる。天然物を応用した健康食品

     (機能性食品)の開発へも応用が可能。健康食品として予防面への活用と一定品質に基づく

     再現性ある効果と安全性が担保されることが重要になる。