Main content

                              平成28222

             KSS協議会ニュ-ス113

                      絹・蚕・桑多目的利用協議会事務局

                          プロザテック内

                    〒264-0023千葉市若葉区貝塚町10993 

                     TEL 043-234-2631 FAX 043-234-2632

                                          e-mail: このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。

  寒暖の上下の厳しい日々が続き、待ちどうし暖かな春はまだ遠いようであります。

 新年を迎え、1ケ月の過ぎるも束の間で2月も早半ばで、時は待つことなくすすんでおります。「食品の栄養・機能性表示を考える」とする一般公開セミナー(17回、於281.24:よみうりホール)、「世界を見据えた日本の~農産物、日本食、健康食品~」/(財)全社福・灘尾ホール(霞ケ関:2825)の聴講の機会を得ましてその概要等につき報告致し、機能性食品に係る動向の一環として、ご参考頂きたい。

 

情報と動向 

「食品の栄養・機能性表示を考える」/ 一般公開セミナー

主催;国立研究開発医薬基盤・健康・栄養研究所 

(基調講演)     食品の機能と安全性評価 

      内閣府食品安全委員会  山添  康

  食品の栄養成分の体内への取込み(食べ物の摂取の役割)

  脂肪;モノアシルグリセロールと脂肪酸に一度代謝分解吸収再構成TG(再合成)リンパ系等経由して体組織に貯蔵、コレステロールも同様で、筋肉・脂肪組織等に貯蔵→LDLHDLの形で貯蔵。

  糖類;蔗糖は消化管で単糖に消化されトランスポーター(運び屋により血液へ

  タンパク質;アミノ酸の小分子に分解され消化管で吸収

 エネルギー源;上記三大栄養素は、脱アミノ化でアンモニアとケト酸に変換ケト酸がエネルギー生成系に代謝される。

  三大栄養素を比べると脂肪が最もエネルギー効率が高く、体内に多くの貯蔵場所を持っていることがわかる。又取りすぎた糖は、肝臓で脂質に変換され体組織に移行する。このため筋肉活動が低下すると体組織に脂肪が蓄積し肥満になる。脂肪のうちトリグリセリドは脂肪酸とグリセロールに分解してから主にミトコンドリアで炭素2個のアセチルCoAとなり→TCAサイクルに代謝され炭酸ガスと水→ATP(高エネルギー物質)を生成するエネルギーを提供する。

 安全性評価

  トランス脂肪酸について、この数年健康に影響する論議があった。

  脂肪酸は、ベータ酸化と呼ばれる代謝の反応で、炭素2個ごと切断され、この反応を触媒す

る酵素は、使い易い共役不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸の順に利用される。不飽和脂肪酸の方が低

温でも液状を示すことがこの違いの要因の1つと考えられる。トランス脂肪酸の分解も触媒す

る、競争相手が多いと後回しにされるため、脂肪の過剰摂取の状態では残り易くなり、総エネ

ルギー摂取の5%をトランス脂肪酸が占めるような食事を持続的に取っている人では、血管や脂肪を主エネルギーとして利用して活動している心臓に脂肪酸が貯まりやすくなり、心疾患リスクが上がり状態になる。そこで米国では、食品加工に用いる油にトランス脂肪酸含量を規制する方策を取った。日本で食品安全委員会では、2012年にトランス脂肪酸の健康影響を評価して、この評価では、日本人のトランス脂肪酸の総カロリー摂取に占める割合がWHOの推奨基準1%より低く、殆ど全世代層の摂取が0.4%を下回ること、総カロリー摂取に大きな経年的変化がないこと、食品加工に使う油中のトランス脂肪酸含量が著減していること、トランス脂肪酸への個別対応よりも同様の蓄積傾向のある飽和脂肪酸を含めた総脂肪酸摂取の低減に努力することが得策とした。食品材料は、食経験にその利用が裏打ちされており安全で、有害な物質を含まないと思い勝ちであるが、実際には栄養成分とともに様々な物質を含み、毎日摂取しているわけで、加熱で生ずるヘテロサイクリックアミン、最近ではアクリルアミドや食肉加工品が問題なっている。このような話では誰でも心配になるが私達の身体は色々な物質を処理する仕組みを進化の過程で獲得している。

 食物の摂取栄養及びそれ以外の栄養成分(ビタミン、ミネラル)の摂取を目的として食べている不要成分も取込む食物繊維等の疎水成分は吸収されないが脂溶性成分(アルカロイド

や精油)は吸収される植物界と動物界の戦い;適者生存、共進化、食物中の毒を解毒できる動物が生存に有利ゲノムの重複、多様な異物への一群の処理系の進化の過程で獲得:異物代謝酵素系として機能複数の酵素分子種が1つの異物処理に関わる脂溶性の非栄養成分の体内処理;消化管薬物代謝系で難吸収の代謝物に変換消化管膜通過した異物の排泄ポンプ系で腸管腔に戻す(フィトステロール等)門脈を介して肝臓に集まった異物を再度薬物代謝系で代謝し胆管(糞中へ)へ排泄血液循環系の流入異物及び代謝物は腎で濾しとり尿中に移行・排泄からだと非栄養物;多種多様な物質を非意図的に、一部は意図的に取込む消化管で吸収・肝臓通過、一部は体循環し、臓器中の標的の親和性の高い生体に影響が発現多くの物質は不活性化(解毒)され、尿・糞に排泄香料等の添加物は摂取量が低く蓄積は見られない。

講演1       食品の機能性表示について

                        情報センタ- 梅垣 敬三

 食品表示は、消費者が望む製品を選択する際の拠り所となるものである。 

 図1 食品表示法について(食品と医薬品の大まかな分類)、図2 特定保健用食品(個別許可型の食品)、図3 栄養機能食品(規格基準型の食品)身体の健全な成長、発達、健康の維持に必要な栄養成分の補給・補完を目的とする。図4 機能性表示食品(届出制、2015年4月から)消費者の誤認を招かない、自主的かつ合理的な商品選択に資する表示制度について 図5 製品の表示内容を確認、図6 デ-タベ-スを介した情報伝達の考え方を解説した。 

国立健康・栄養研究所情報デ-タベ-ス/https//hfnet.nih.go.jp/(詳細は参照)

(機能性表示食品:届出数:A220 H28.2.20現在)

講演2        食品の栄養表示について

                         食品保健機能研究部 主任研究員

                                  竹林 純

  20154月に食品表示法が施行され、食品表示が1つの法律で管理されるように一括された。図1 食品表示法について;原則として全ての加工食品に栄養表示が義務化 

1.栄養成分表示の義務化(図2);熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量の表示、飽和脂肪酸、食物繊維は推奨表示項目、その他の糖類、糖質、コレステロール、ビタミン、ミネラル類は任意表示とされた。

2.栄養強調表示に係るル-ルの改善(図3);低減・強化が小さい場合、強調表示はでき

ない。糖類や食塩等を添加していない旨を表示する際のル-ルが新たに設定された。

3.栄養機能食品に係るル-ルの変更(図4)栄養成分の機能表示としてn-3系脂肪酸、ビタミ

Kカリウムが追加された。また、生鮮食品の栄養機能食品としての表示が可能となった。

4.合理的な推定により得られた値の表示(図5);「推定値」「表示値は目安」の明記が計算数

  値やサンプル品の分析値等の表示が可能となった(20139月に施行済み)。

5.経過措置期間;新たな表示準備期間として加工食品と添加物は5年間、生鮮食品は16

月の間、以前のル-ルに基づき表示が容認された。20204月から上記は適用が可能。

 

 「世界を見据えた日本“食”~農産物、日本食、健康食品~

/(財)医療経済研究・社会保険福祉協会

  「日本食、機能性表示農林水産物などの今後の可能性」/西郷 正道

        農林水産省技術総括審議官兼農林水産技術会議 事務局長/資料:22

 機能性を有する農林水産物・食品の開発事例

 * カンキツに含まれるβ-クリプトキサンチンの機能性研究の成果ミカンを食べるほど身体に溜まる。様々な生活習慣病のリスクが低減することが判明。3-4個のミカン(34mg程度)効果期待/疫学調査:三ケ日町研究)、他;たまねぎ/ケルセチン、インカのめざめ/ゼアキサンチン、ダッタンソバ/ルチン、ゴマ/セサミン、リンゴ/プロシアニジン、ダイズ/イソフラボン、ヒエ、アワ、キビ/GABA、クワノミ/クリサンテミン、クワノ葉/デオキシノジリマイシン、 届番号:A105:ミカンジュ-ス/β-クリプトキサンチン 等  

Ⅱ-1  農林水産物・食品に機能性表示する際の課題

   H274月より機能性食品制度の施行(加工食品以外に一般農林水産物も適用)。

  表示のメリット;健康効果の表示可能、具体的な部位の表示(機能性に応じた科学的根拠を収集)消費者への訴求効果約1.5倍位の好調さも見られている。(表示食品に必要な手続き必要項目:6項目(省略)届出受理されれば、60日以降に商品の販売可。

表示の際の課題;科学的根拠;臨床試験並みの健常者での臨床的試験の実施(SR:システマテ

ク レビュウ:文献上の記載も可)

 品質管理;有効成分含量のバラツキ、1日摂取量明示、保管調理方法、安定的供給の要望               

-2  農林水産物・食品への機能性表示の推進(表示に向けた取組み)

   表示する物品の科学的根拠の取得;SR取得への支援、品質管理への取組みへ支援、デ-

タべ-スの作成・構築への取組み支援、(平成2427年度予算:2,000百万円)

食と健康に関心を抱く国民の増加(メタボリックシンドロ-ムの増加等)①科学的根拠の取得→②品質管理への支援→③今後の取組み(具体的の解説表記;略)  

  日本食の有する健康維持・増進効果の検証

   異分野融合合同研究の概要;<背景> *技術革新及び農林水産業の成長化が期待される情

   況 *府省連携により「科学技術イノベ-ションの活用による農林水産業の強化 *生産・

流通システムの高度化等を通じ、市場・産業の拡大・発展を図る。

日本食の評価(研究実施機関の構成);「京都大学医学研究科」:拠点研究機関となり、日

本食の歴史、文化で有名は静岡文化芸術大学、京都市の老舗料亭と連携(世界の健康に貢献する日本食の科学的・多面的検証の実施。補完研究は、北海道大学、九州大学、東北大学、信州大学、早稲田大学、星薬科大学が参画し、連携して研究を開始(研究テ-マの一覧を公表)。

 

 2 「世界の健康に貢献する日本食の科学的・多面的検証研究の概要について」 

 ~農林水産省異分野融合共同研究「医学・栄養学との連携による日本食の評価」

  京都大学大学院農学研究科 農学専攻品質評価学分野 教授 村松 康生/解説資料38

 

  「和食:日本人の伝統的な食文化」がユネスコの世界無形文化遺産に登録され(平成255月)世界中から熱い関心を寄せられている。これに先んじて遺産登録された「地中海食」と比較して、食材や食事パタ‐ン等に関する定義、栄養面や生活習慣のリスク低下などの科学的エビデンスが充実していないという指摘がある。問題意識に鑑み農林水産省より農研機能生活センタ-を通じ革新的技術創造促進事業(異分野融合研究)「医学・栄養学との連携による日本食の評価」が公募され、京都大学を拠点研究機関として、北から南まで6大学の補完研究機関による日本食プロジェクトが平成26年に始動した。稲垣 暢也氏(代表者:京都大学医学研究科)の成果を中心に本取組みについて報告する。本課題研究は5項目に分けられる。「A;日本食の歴史・科学的知見を踏まえた将来像の検討」:昭和50年当時の日本の食事が現代日本食の典型となることを確認。「B;健康に資する日本食の特徴に関する臨床栄養的研究」では、医学・栄養学的研究が行われている。欧米食と日本食の摂取によって健康状態にどのような違いが生じるのか系統的に明らかにするため「重要臓器で起こる機能変化」に焦点を当てて検討、インスリン抵抗性、腎機能に興味深い知見も得られている。食材中の成分の体内吸収での機能の究明、魚食でのコラーゲンペプチドの吸収の確認。米飯摂取の利点の明確化の研究も計画中。「C;地域住民のコホート(疫学究明)での健康に資する日本食の検証」が実施中。「D;日本食の『おいしさ』の科学的検証」が実施中。「だし」の味の基本を数値的表現する取組みも実施中。日本料理の調理法の科学的な実証にも取組んでいる。「E;日本食が運動機能に与える影響評価」にも取組みが見られる。

本プロジェクトのホームペイジの開設;(Http://nihonsyoku.jp)(参照)

 

   3 米国サプリメント市場~ビジネスのポイントとFDA規制~

    (株)グロービッツコンサルテイ ング 代表取締役社長 春山 貴広/解説資料17

    2015年の米国サプリメント市場は約360億ドルと予測されている。全世界のサプリメ

トそ市場の約3割を占めている。FDAの規制等の障壁について述べる。米国でよく売れる要因は、5つの要因がある。1ベビーブーマーの高齢化で健康志向からサプルメント購買層の拡大、2医療費高騰により、予防医療、代替医療への注目が高まり、

3健康ブーム、自然食品ブームによる、4多くが小売店で扱われるようになり、オン

ラインなど流通経路の拡大5企業のブランデイング戦略の購買意欲の拡大が挙げられる。

米国市場への参入には注意点がある。米国食品医薬局(FDA)の規制への対応。FDAの確

認;1内容成分の確認、2適正ラベルの確認、3生産設備の登録制度

 

具体的な対応には、下記の問合せ先で調査・相談を依頼することが可能

  米国本社;カルフォニア州ロスアンゼルス市トーランス

  東京オフィス;東京都港区赤坂135 赤坂アビタシオン 301

   TEL 050-58063860

  大阪オフィス;大阪市北区芝田2563F

   TEL 050-5809-3860

  e-maill: このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。

 

 連絡事項

     年会費徴収の件(27年度:15期、15.1016.09

     法人会員:1212、個人会員:88 

完納につき、ご協力頂き継続頂くことで、感謝申し上げます。

     第39KSS健康フォーラム開催案内の参加申込みの締切りを39日(水)とし

ていますが、今回から会場が銀座2丁目の東京都中小企業会館に変更になり、参加者 に交通案内(有楽町駅からの案内図)のご連絡致したく、出欠の連絡をお願いします。